農家民宿でリピーター増 奄美市住用町

農家民宿「ほおらしゃ家」で夕飯を楽しむ熊本県の荒井弘幸さん一家=3日、奄美市住用町

農家民宿「ほおらしゃ家」で夕飯を楽しむ熊本県の荒井弘幸さん一家=3日、奄美市住用町

 農山漁村の民家に滞在し、地元の人々との交流や自然、文化体験を楽しむ「農林漁業体験民宿(農家民宿)」の取り組みが、奄美市住用町で始まり3年目を迎えている。格安航空(LCC)の就航やクルーズ船の寄港などで、年間88万人以上が訪れる奄美大島。観光スポット巡りとは一味違った、新たな観光スタイルとして注目を集めている。

 

 農家民宿は農村部の民家に宿泊し、農業や自然を体験するグリーンツーリズムの一環。宿泊料が徴収できない「民泊」と異なり、「民宿」は旅館業法や食品衛生法などの許可を受けることで宿泊代や食事代を受け取ることができる。

 

 県農村振興課によると、農林漁業者の補完としての収入や、地域資源を活用した交流の拠点づくりとして注目が高まっている。

 

 奄美市住用町では内海公園バンガローを管理するNPO法人「すみようヤムラランド」(満田英和理事長)が、世界自然遺産登録を見据えた観光振興策の一環として農家民宿を始めた。現在、町内の西仲間、見里、役勝の3集落3軒が営業している。

 

 体験プログラムは▽フナンギョの滝などを巡る自然観察▽タンカン収穫などの農業体験▽地場産食材を使った郷土料理作り▽三味線やチヂン(太鼓)を使った八月踊り体験、などが人気だ。

 

 宿泊スタイルもさまざま。離れや別棟を利用する「完全独立型」のほか、住用町の3軒のように家主と同じ住居で空き部屋を利用する「同一家屋型」もある。家主が宿泊客と一緒に調理し、食卓を囲むなど、宿泊を通して奄美の食文化や島暮らしを伝えることができ、交流を深められるのが特徴だ。

 

料金は1泊2食付きで大人1人7千円、小学6年生以下5千500円。体験プログラムは別途1500~3千円程度。

 

 同法人の古薗孝太事務局長によると、利用客は自然体験を望む都市部の家族層以外にも、何度も奄美大島を訪れているリピーターが「もっとディープな奄美が知りたい」と選ぶケースもあるという。

 

 深い交流が絆を生み、何度も利用する宿泊客も増えていると言い、「住用の豊かな自然や人の温かさが観光資源として評価されているのでは」と手応えを語った。