運転手不足解消へ 大幅再編 しまバス路線見直し

佐仁―奄美空港で運行予定のジャンボタクシーと同型の車両

佐仁―奄美空港で運行予定のジャンボタクシーと同型の車両

 奄美大島一円で路線バスを運行する㈱しまバス(本社・奄美市名瀬、岩崎勇登社長)は10月から、路線を大幅に見直す。路線の一部縮小やジャンボタクシーなど車両小型化、行政運行への移行などが柱。慢性的な人材不足の中、利用者の少ない路線を再編することで運転手の負担軽減を図り、公共交通路線の維持存続を目指す。

 高齢化による運転手不足は業界共通の課題だ。長時間労働に加えてバス運行に必要な大型2種免許の取得も難しく、人材確保を困難にする一因となっている。このため同社は運転手の待遇改善を念頭に大幅な見直しに着手した。

 地域別の主な再編計画をみると、奄美市では笠利町佐仁から奄美空港を経由して名瀬へ向かう路線を「佐仁―奄美空港」「奄美空港―赤木名―名瀬」に分割する。観光需要に対応するため、空港―名瀬線は床下トランクルームを備えたリムジンバス2台を導入。一方で利用者の少ない佐仁―空港線は、普通2種免許で運転できるジャンボタクシー(11人乗り)に切り替える。

 大和村の名瀬―今里線は一部を除き大棚までに縮小し、運行本数も減便する。大棚―今里間が廃止となる時間帯は村委託業者が無料のジャンボタクシーを走らせる。

 龍郷町ではビッグツーから名瀬へ向かう路線を「ビッグツー―安木屋場」「安木屋場―名瀬」に分割する。このうちビッグツー―安木屋場線は既存の町スクールバス車両を有効活用。スクールバスが走らない時間帯に路線バスとして運行する。

 また、戸口線は5人乗りのタクシー車両に変更。土日祝祭日に限って事前予約制のデマンド交通とし、龍郷町の委託を受けた同社が運行する。

 このほか名瀬―瀬戸内線を減便する。定期船入港時刻に合わせて出発していた名瀬港発古仁屋行きは定時出発となる。

 これら路線バス再編は同社の働き方改革の一環だ。運転手は正規、嘱託合わせて71人。平均年齢は50代半ば。65歳をすぎた団塊世代の雇用を再延長して人員確保している状況という。

 岩崎社長は「路線バスを止めてはいけないという危機感から取り組んだ。乗り換えの不便を生じる便もあるが、持続可能な道を模索した」と話した。