学校存続~奄美市里親留学③

「里親を10年続けるのが目標です」。留学生を受け入れている里親の平園さん夫婦(中央)=1月24日、西之表市

「里親を10年続けるのが目標です」。留学生を受け入れている里親の平園さん夫婦(中央)=1月24日、西之表市

  「子どもが減れば先生も減り、いずれ学校もなくなる。地域の手助けになるならと思って、里親を引き受けた」―。そう語るのは西之表市(種子島)に住む畜産農家の平園和久さん(52)。現在、千葉県出身の小学3年生と神奈川県出身の小学5年生の男子2人を預かっている。

 

 西之表市は人口1万5644人(2018年1月末現在)。少子化に伴う学校存続問題に直面し、南種子町の宇宙留学をモデルにした山村(離島)留学制度「種子島しおさい留学」を導入した。14年度に留学生の受け入れを開始。対象は市内の小学校10校のうちの小規模校8校で、16年度からは祖父母が孫を受け入れる「孫戻し留学」も始めた。

 

 受け入れは、南種子町と同様に里親1世帯につき2人が基本。留学生数は初年度が2人、15年度が4人、16年度が6人(うち継続1人、孫戻し1人)、17年度が7人(うち継続1人)で推移した。里親は初年度が1世帯、15年度2世帯で、16年度と17年度が各5世帯となっている。里親へは留学生1人につき毎月7万円(市補助金4万円、実親負担金3万円)が支払われている。18年度からは実親負担も4万円となる。

 

 西之表市教育委員会によると、留学制度に関する問い合わせは年々増加傾向にある。留学生が新たに加わり、複式学級の解消など効果も表れているが、一方で里親の確保が大きな課題だという。里親募集のチラシを地域で配布したり、対象校区内で募集していた里親を、16年度からは市内全域に広げて募っているものの、担い手が見つからないのが現状だ。市側は家族(親子)留学の導入に向けても準備を進めている。

 

 そんな中、平園さんは15年度から3年連続で里親を引き受けている。平園さんは妻と娘5人の7人家族。娘4人は就職などで島を離れ、現在は妻と高校1年の5女、留学生2人の5人で暮らす。

 

 平園さんは「何が大変かは預かってみないと分からない」と里親になることを決めた。留学生の受け入れは原則1年間。実親との関係がうまくいかないこともあったが、平園さんは自身の教育方針で留学生に接することに決めている。「こちらに全て任せてほしい」と実親に理解を求め、緊急時以外は実親と連絡を取らないことなどを取り決めている。

 

 計6人の留学生を受け入れた3年間は出会いと別れの繰り返しでもあった。「別れの時期は寂しいが、すぐに出会いもある。留学生が地元に帰る夏休みや冬休みは夫婦の会話も少なくなる。子どもたちがいる方が笑いも起こるし楽しい」(平園さん)

 

 現在、一緒に暮らす留学生2人も、いつのころからか平園さん夫婦を「お父さん、お母さん」と呼ぶようになった。平園さんは「留学生はたくましく立派になって帰っていく。向こうに戻っても連絡をくれたり、父の日や母の日に贈り物を送ってくれる子もいる」と目を細め、「里親を10年続けるのが目標です」と力を込めた。