金井工芸が英国で泥染め文化紹介

ロイヤルカレッジオブアートで泥染めの授業を行う金井さん(提供写真)

ロイヤルカレッジオブアートで泥染めの授業を行う金井さん(提供写真)

 龍郷町の染め物工房「有限会社金井工芸」はこのほど、英国で泥染めイベントを開催した。美術大学や博物館など3カ所で実際に布を染めるワークショップを展開し、地元研究者や美術愛好者らへ奄美の泥染め文化の歴史や魅力を伝えた。

 

 泥染めはテーチ木(シャリンバイ)の煮汁と泥田に糸などを繰り返し漬け込んで染める奄美特有の染色方法。テーチ木に含まれるタンニン酸と泥田の中の鉄分を反応させることで、本場奄美大島紬の深い黒色を生み出す。

 

 英国でのイベントは2017年から18年まで同社でインターンとして働いていた英国人のリントン・シャーロットさんの協力で実現。シャーロットさんが在籍するオックスフォード大学と、母校の美術大ロイヤルカレッジオブアート、ロンドンにある博物館ホーニマンミュージアムで実施した。

 

 ロイヤルカレッジオブアートは世界で唯一アート・デザインの修士・博士号を授与する国立大学で、英国クアクアレリ・シモンズ社の世界大学ランキングではアートデザイン分野で5年連続の世界1位を獲得している(2019年現在)。

 

 同大学では金井工芸の金井志人さん(39)と師玉明代さん(26)がテキスタイル科の1年生約20人に特別授業を行った。染色や布のデザインを学ぶ学生たちだけに、染め体験ではさまざまな素材の布や紙を持ち込んで泥染めを活用した実験を行っていた。

 

 各イベントでは、参加者から地球規模での環境変化と自然素材を用いた伝統産業の持続性に関する質問や、製造工程についての技術的な疑問などが次々と寄せられた。大島紬を着用して参加する人の姿もあった。

 

 金井さんは「思っていた以上の反応の高さに奄美の持つ潜在的な力を感じ、刺激を受けた」と感想。「泥染めが奄美の染色方法として世界的に知られるように、伝統技術の展開方法を一層考えていきたい」と語った。

そろぞれに工夫を凝らした作品を完成させた学生たち(提供写真)

そろぞれに工夫を凝らした作品を完成させた学生たち(提供写真)