阿室活性化委の取り組み踏まえ 奄美市でシンポジウム

阿室校区活性化対策委員会の取り組みを通じて、農山漁村の協働力の重要性を確認したシンポジウム=20日、奄美市名瀬

阿室校区活性化対策委員会の取り組みを通じて、農山漁村の協働力の重要性を確認したシンポジウム=20日、奄美市名瀬

 「I・Uターン者と地域との協働による村づくり」をテーマにしたシンポジウム(農林水産省、公益財団法人日本農林漁業振興会主催)が20日、奄美市名瀬の集宴会施設であった。17年度農林水産祭むらづくり部門で天皇杯を受賞した宇検村の阿室校区活性化対策委員会(後藤恭子代表)の取り組みを踏まえパネルディスカッション。パネリストは、親子山村留学で招き入れた地域住民と移住者が一体となった協働力を評価し、活動継続と新たな挑戦にも期待した。

 

 同校区は平田、阿室、屋鈍の3集落で構成。阿室小中学校の存続が危ぶまれたため、09年に委員会を設立し山村留学の受け入れを開始。これまでに延べ35世帯79人の移住者を受け入れた。

 

 タンカンなど在来作物振興に加え、パッションフルーツやフィンガーライムといった新規作物も導入し、U・Iターン者の営農支援と首都圏への販売などを進めている。共同墓地整備や共同売店の運営で、安心して住み続けられる生活基盤の構築も図っている。

 

 パネルディスカッションで後藤委員長は「家族連れの山村留学受け入れで、地域の若返りが図られた。農産物を活用した商品開発ではIターン者のアイデアが生かせた」と、受け入れのメリットを強調。宇検村産業振興課の松元五月課長は、「行政の支援策を説明するとともに、阿室校区の取り組みを村内他地域にも波及させたい」と述べた。

 

 大和村国直で体験観光を通じた地域振興に取り組むNPO法人「TAMASU」の中村修代表は、観光客誘致による交流人口増の効果も提言。「地域おこしには世代を超えた力が必要」と語った。

 

 農林水産祭で中央審査委員として天皇杯の選考に携わった合瀬宏毅NHK解説副委員長は「阿室校区では、農業や地域づくりのため移住者や地域住民一人一人に出番、居場所、役割を与えている。新たな人々を受け入れる上で非常に重要な要素で、人と人のつながりを生み出す」と述べ、地域の協働力の源となっている取り組みを評価した。

 

 シンポジウムには奄美群島内で1次産業や地域振興に取り組む官民の関係者など約200人が出席。午前中は宇検村で奄美群島農政推進協議会主催の現地視察があり、約40人が阿室校区を訪れた。