集落の鐘、歴史刻み100年 第壱回國調時に製作、住用町山間

第1回国勢調査の実施を記念し、100年前に山間集落でつくられた釣り鐘を見詰める久保さん(右)と潤井区長=14日、奄美市住用町山間

第1回国勢調査の実施を記念し、100年前に山間集落でつくられた釣り鐘を見詰める久保さん(右)と潤井区長=14日、奄美市住用町山間

 5年に一度、日本に住む全ての人を対象に行われる国勢調査は14日、1920(大正9)年の開始から100年の節目を迎えた。奄美市住用町山間の公民館屋上には第1回の国勢調査実施を記念してつくられた釣り鐘が今も残り、「地域の宝」として集落で引き継がれている。

 

 鐘は高さ約60センチ、直径約40センチの半鐘型。長い年月を経てかすれているが、鐘には「第壱回國勢調査記念」「大正九年十月一日山間青年會」と刻まれている。

 

 山間集落の潤井美登区長(68)や、久保忠義さん(85)によると、昔はこの鐘をやぐらにつるし、毎日午前7時、正午、午後5時に鳴らして住民に時を告げた。火事などの非常時にも利用していたという。

 

 この鐘は金属回収令が出された戦時中も、集落民らが軍部に頼み込んで供出を免れており、「集落の歴史を伝える大切な鐘」(久保さん)だ。

 

 潤井区長は「確か私が小学生ごろまでは鐘が鳴っていたが、いつの日からか聞かれなくなった。今も大みそかに除夜の鐘として、集落の子ども会が鐘を鳴らしている。今後も集落の宝として大事に残していきたい」と語った。