鹿児島県でも先行接種開始 新型コロナワクチン

新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける医師=19日、鹿児島市(鹿児島医療センター提供)

新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける医師=19日、鹿児島市(鹿児島医療センター提供)

 新型コロナウイルスワクチンの先行接種が19日、鹿児島市の鹿児島医療センター(田中康博院長)で始まった。初日は医師や看護師など24人が接種を受けた。田中院長によると、アナフィラキシーショックなど体調に異常を訴える職員はいなかった。県内では同センター以外の医療従事者などを対象にした優先接種が3月中旬に始まる見込み。奄美群島では、ワクチンを冷凍保管し接種する「基本型接種施設」が奄美大島、徳之島、沖永良部、与論の4島にそれぞれ設けられる。

 

 ワクチンは米国ファイザー社製で、1170回分(1人2回接種のため585人分)。職員約1000人のうち、医師、看護師、薬剤師、事務員、委託職員など約400人が接種を希望しており、希望者全員への接種を予定している。

 

 同センターでは12日に新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生。19日までに累計30人の陽性が確認されており、院内での取材対応ができなかったため、田中院長らが同日夕、鹿児島市の県庁で記者会見して状況を報告した。

 

 田中院長は冒頭、クラスター発生について陳謝するとともに、クラスター発生による先行接種への影響はなかったと説明。24人全員への接種は約30分で終了し、滞りなく初日を終えたという。最初に接種を受けた田中院長は「1回分の容量は0・3CCと非常に少なく、1~2秒で終わった。筋肉注射なので、直後は押さえると少し痛みがあったが、その後は全くなくなった」と話した。

 

 同センターでの先行接種は1回目を3月2日までに終え、2週間後に行う2回目についても3月23日までに終了する予定。先行接種は全国の対象者4万人のうち、2万人の副反応を追跡調査する臨床研究も兼ねていることから、参加した医療従事者は健康状態を記録し、副反応が出た場合、研究本部の順天堂大学医学部臨床研究・治験センターに報告する。

 

 田中院長は「感染を広げないことがコロナ対策の鍵であり、ワクチン接種で集団免疫などの効果があれば、感染の拡大防止の手段になる」と期待。先行接種については「ワクチンへの安全性を確認する研究に参加できたことは光栄で、身の引き締まる思い。早くデータを出して、皆さんに安心してワクチンを使用していただければ」と話した。

 

 県は3月中旬の開始を見込む優先接種に向け、基本型接種施設からワクチンを運搬して接種を行う「連携型接種施設」の設置場所の検討を進めており、今月下旬までに公表する予定だ。