鹿県内、米軍機の目撃情報最多 奄美で低空飛行常態化か、20年度

奄美市の市街地近くを飛行する4機のオスプレイとみられる機体=2020年6月4日

奄美市の市街地近くを飛行する4機のオスプレイとみられる機体=2020年6月4日

  県危機管理局はこのほど、県内の低空飛行等の目撃情報をまとめた。2020年度は前年度比51件増の137件で、06年度の統計開始以降、最多を更新した。このうち昨年4月から12月までの目撃情報89件のうち、83件について「米軍機の可能性がある」としている。奄美市では県全体の3分の2を占める90件が目撃されており、米軍機による低空飛行が常態化しているとみられる。

 

 県は目撃情報のたびに県内の空港事務所や自衛隊施設へ照会を行っている。目撃機の所属が確認できない場合は、九州防衛局に対し在日米軍への照会を依頼している。16年度までは米軍機の飛行有無が確認できたが、17年度以降は「米軍機の可能性」の回答にとどまり、米軍機に関する機種や目的、飛行ルートは分かっていないという。

 

 これまでの最多は16年度と19年度の86件。市町村別では奄美市が最も多く、次いで鹿児島市19件、日置市、南さつま市、薩摩川内市の各5件など。奄美市以外の奄美群島内は、瀬戸内町3件、龍郷町2件、大和村、宇検村、徳之島町各1件だった。

 

 奄美市総務課危機管理室によると、住民からは米輸送機オスプレイやC―130輸送機、ヘリなどの情報が寄せられたという。午後10時すぎの確認情報もあり、奄美群島上空に昼夜問わず米軍機が飛来している可能性がある。

 

 同市の市民団体「戦争のための自衛隊配備に反対する奄美ネット」の城村典文代表(68)は「目撃情報が寄せられていない場合もあり、実際はより多くの米軍機とみられる機体が飛行していると思う。市街地上空を飛ぶケースも増えており、事故が起きないか心配」と話した。

 

 県議会は3月定例会で、米軍機の低空飛行に関する目撃情報が増加傾向にあるとして、国に対し、基地外での演習・訓練を最小限とするよう米国へ求める意見書を可決している。統計開始以降過去最多の飛行確認について、県危機管理課は「県民生活への影響を最小限に抑えるよう、全国知事会を通じて国に要請している」としている。