龍郷町各集落で「種下ろし」

踊りの輪をつくる住民=25日、龍郷町中戸口

踊りの輪をつくる住民=25日、龍郷町中戸口

 龍郷町の各集落で25日夜、「種下ろし」が行われた。翌年の豊作を祈り、1年間を締めくくる伝統の稲作行事。住民や出身者が家々を踊り清め、家内安全や集落の繁栄を祈った。

 

 以前は集落全ての家を回って夜通し踊り明かしていたが、現在は新築の家や転入者の家などを中心に数軒を持ち回りで巡るかたちが一般的。迎えた家では心づくしの手料理や奄美黒糖焼酎が振る舞われる。

 

 中戸口集落(植田敏博区長、120世帯)では25日、男女が踊りの輪をつくって歌掛けを響かせた。ハナ(寄付)の披露に六調が続くと、熱気は最高潮に達した。

 

 自宅庭にごちそうを広げて出迎えた松尾昭宏さん(48)は「集落の女性たちがたくさんの料理を持ち寄ってくださりありがたい。住民みんなと会える種下ろしは1年で1番重要な行事」と顔をほころばせた。

 

 踊りの輪には県外からの参加者もいた。奄美市出身で東京都在住の久保悦子さん(68)は妹、弟とともに飛び入り参加。「弟はビデオを取り寄せて奄美各地の唄と踊りを予習するくらいのお祭りファン。影響を受けて今回初めて参加したが、にぎやかで楽しかった」と話した。

 

 同町ではこの日、秋名、幾里、嘉渡、龍郷、瀬留でも種下ろしが行われた。多くの集落で2、3晩かけて実施される。