IT、観光軸に「奄美モデル」提案 大正大学生らが報告会

奄美実習の成果を報告した大正大学の学生ら=29日、奄美市名瀬

奄美実習の成果を報告した大正大学の学生ら=29日、奄美市名瀬

 産学官連携で地域活性化策を探ろうと奄美実習に取り組んだ大正大学(本部・東京都豊島区)の学生らの成果報告会が29日、奄美市役所であった。世界自然遺産登録をテーマにした調査研究を基に、ITや観光を軸にした「奄美の地域創生モデル」を提案。若者目線で奄美の自然の魅力をPRする観光動画やポスター、資源マップを発表した。

 

 奄美実習は同大学地域構想研究所のプロジェクト事業「くろしおコンソーシアム」の一環。2018年度は全国13カ所で自治体と連携した実習を実施。奄美市の受け入れは2年目。地域創生学部の1年生8人が9月19日に来島し、同市名瀬の中心商店街を拠点に地元関係者への取材やフィールドワークを展開した。

 

 報告会には地元関係者ら約50人が参加。学生らは奄美の現状について「島外に出た若者が帰って来やすい環境が整っていない」「行政と住民の間で世界自然遺産登録に対する熱意の差があるのではないか」と指摘。

 

 奄美大島内の中高生を対象に行ったアンケート結果から「自然環境や遺産登録への興味、関心が薄い」「自然に触れる体験、経験があまりない」と分析。地元の学生が自然の豊かさや大切さを学ぶ体験型学習を授業に導入するよう提案し、自然遺産登録の意義やメリットを「多くの住民に伝える場がもっと必要」と強調した。

 

 奄美の地域創生モデルとして、IT事業の活発化や観光業を軸にした産業の発展を提案し、VR(仮想現実)を活用した自然体験や、奄美を舞台にしたゲームの制作、奄美ならではの観光イベント、インスタグラムによる情報発信などをアドバイスした。

 

 学生らは30日に帰京する。リーダーの長塚灯さん(18)=埼玉県さいたま市=は「多くの人と関わり、たくさんのことを学んだ。ポスターやマップを活用してもらうことで奄美の人が故郷を再認識し、世界自然遺産登録に向けて環境保護への気持ちが高まればうれしい」と話した。