「赤灯台」に代わり仮灯火 名瀬港

2018年10月07日

地域

仮灯火を設置する奄美海保の職員。後方にある円形の土台が消失灯台のあった場所=6日、奄美市の名瀬港西防波堤

仮灯火を設置する奄美海保の職員。後方にある円形の土台が消失灯台のあった場所=6日、奄美市の名瀬港西防波堤

 台風24号の通過後に名瀬港の灯台がなくなっていたのを受け、奄美海上保安部は6日、灯台のあった防波堤に仮灯火を設置した。奄美海保は「現在のところ復旧の時期は未定のため緊急の措置。特に夜間の航行には注意してほしい」と呼び掛けた。

 

 設置した仮灯火は高さ約50センチ。灯台が故障した際に使用されるもので全国の海保に配備されている。電池式で夜間に自動でLEDが点灯し、光は約7キロ先まで届く。電池は約3カ月間持つという。

 

 仮灯火は今月1日に一度設置されたが、台風25号接近を受け3日に撤去していた。今後も台風接近の場合、撤去する可能性があるという。

 

 奄美海保によると、名瀬港は定期船など20トン以上の船舶が月平均で約160隻出入りする奄美大島の海の玄関口。漁船やプレジャーボートを含めると1日数十隻が航行するという。

 

 行方不明の灯台は高さ11メートル、直径2・2メートルの強化プラスチック製で、市民からは「赤灯台」と呼ばれ親しまれていた。奄美海保は航空機や船舶で港内を調査しているが発見できていない。近く海中探索用の機器を用いた本格調査に入る予定だという。

 

 奄美海保交通課の中村悟課長は「仮灯火は従来の灯台よりも低く遠くからは見えづらい。不便をかけるが船舶を利用する方々は特に注意をお願いしたい」と理解と協力を求めた。