オスプレイ飛行訓練中止意見書 否決へ 県議会

2018年06月21日

地域

奄美空港に緊急着陸した米軍機オスプレイ=13日、奄美市笠利町

奄美空港に緊急着陸した米軍機オスプレイ=13日、奄美市笠利町

 奄美市笠利町の奄美空港に米軍輸送機オスプレイが緊急着陸した問題で、県議会(50人)の県民連合と共産党県議団は22日の本会議に奄美大島上空でオスプレイの飛行訓練の中止を求める意見書を提案する。ただ、自民党県議団と公明党県議団は反対する方針で賛成少数で否決される見通しだ。

 

 奄美空港に4日、オスプレイ2機が緊急着陸し、1機は20日も駐機を続けている。奄美空港への緊急着陸は昨年6月と今年4月に続いて3回目となる。

 

 意見書は奄美大島上空で低空飛行が頻繁に目撃されていることを指摘。「住民に知らされないまま低空飛行が行われていることに不安の声が上がっている」とし、飛行実態の調査や奄美大島上空での訓練中止を国が米国に求めるよう訴えている。

 

 関係者によると、意見書に賛成の立場を示しているのは県民連合の6人と共産党の1人、無所属の2人。最大会派の自民党(37人)と公明党(3人)は反対の意思を確認した。

 

 オスプレイを巡っては奄美市議会と大和村議会で同様の意見書が可決されている。奄美市議会の意見書は自民党系の市議が提案。朝山毅市長は議会と足並みをそろえ、国に対して文書での申し入れを検討している。

 

 県議会で意見書が否決されれば地元議会との間で「ねじれ」が生じることになる。市民団体などは米軍機の県内上空での飛行禁止を国や米軍に求めるよう三反園訓知事に要請したが、県議会の判断は県の対応にも影響を与えそうだ。

 

 意見書の可決に反対する県議は「防衛は国の専管事項。地元の気持ちも理解できるが、(飛行中止を求める)踏み込んだ対応は難しい」と話した。