与論町漁協、13日ぶり競りで活気

2018年10月10日

地域

13日ぶりに競りが再開され、活気が戻った与論町漁協=8日、与論町茶花

13日ぶりに競りが再開され、活気が戻った与論町漁協=8日、与論町茶花

 与論町漁業協同組合で8日、台風24号、25号の接近、通過後初めての競りが開催された。漁協には競りの掛け声と漁師や仲買人らの笑顔が広がり、13日ぶりに活気が戻った。

 

 同漁協によると、組合員は7日から漁を再開。8日午前8時からの競りに出された魚はいつもより少なめだったが、マグロ、カツオ、ツムブリ、シイラなどが並び、仲買人らが目当ての魚を次々と競り落としていた。

 

 競りに参加した鮮魚店の女性(82)は「台風で何日も仕事ができなかったが、今日は久しぶりなので思い切って仕入れた」と笑顔。イセエビなどを漁協に持ち込んだ素潜り漁師の徳田孝久さん(57)は「まだしけていて泳ぎづらかったが、最近では取れた方。島外に出荷したい」と充実した表情で話した。

 

 一方、「自宅と実家が被災し、しばらくは漁を休んで復旧作業を優先する」と話す漁師もいた。同町では建築業者、資材の不足、通信機器の不具合などが復旧作業のスピードを遅らせる要因となっており、住民が日常を取り戻すにはまだ時間がかかりそうだ。