全国規模の建築賞W受賞 笠利出身の松山さん

2019年09月23日

地域

全国規模の建築賞をW受賞した「父母の家」(奄美市笠利町)=石井紀久さん撮影

全国規模の建築賞をW受賞した「父母の家」(奄美市笠利町)=石井紀久さん撮影

 日本建築士事務所協会連合はこのほど、優れた建築作品を設計した事務所を表彰する日事連建築賞を発表した。奄美市笠利町の「父母の家」を設計した㈱松山建築設計室一級建築士事務所(福岡県、松山将勝代表取締役)が小規模建築部門の最高賞「日事連会長賞」(1点)を受賞した。「父母の家」は2019年度、空間デザインを表彰する日本最大級の「日本空間デザイン賞」で住空間部門最高の金賞(部門別各1点)も受賞している。

 

 「父母の家」は平屋の住宅。一枚の大屋根とコンクリートの壁が特徴で、奄美諸島にみられる分棟型住居も参考にした。鉄骨造りで、延べ床面積は184・13平方㍍。

 

 一級建築士の松山さん(50)は笠利町須野出身。福岡県を拠点に住宅や病院施設、飲食店などを手掛け、九州、全国規模の数々の建築賞を受賞している。奄美大島にある建築物は奄美きょら海工房(奄美市笠利町)、フランドール朝日通り本店(奄美市名瀬)など。今回のW受賞を受け「奄美の自然環境、建築様式を考慮した上で生まれたデザイン。奄美の建築文化発展の一助になればうれしい」と喜んだ。

 

 日事連建築賞は、建築士事務所の資質向上を目的に毎年実施。35回目となる19年度の部門別応募数は一般69点、小規模建築76点。表彰式は10月4日、第43回建築士事務所全国大会(福島県)で行う。

 

 日本空間デザイン賞は、日本空間デザイン協会と日本商標環境デザイン協会の2団体が共同で19年度に創設した。日本から優れたデザインを世界に発信し、「空間デザインのちから」を伝えることが目的。今回千件以上の応募があった。今後、部門別の金賞11作品の中から最高賞「KUKAN OF THE YEAR」を1~3点選出する。