台風19号接近で地元スーパー懸念  生鮮食品仕入れに神経

2018年08月20日

地域

牛乳など消費の多い生鮮食品を多めに仕入れて船便欠航に備える小売店=19日、奄美市名瀬

牛乳など消費の多い生鮮食品を多めに仕入れて船便欠航に備える小売店=19日、奄美市名瀬

 台風19号が奄美地方に接近している。県本土と奄美群島を結ぶ定期船は20日以降、運航の乱れが予想され、生鮮食品など食料品の入荷にも影響しそうだ。19号の通過後には20号の影響が続く可能性もあり、生鮮食品の入荷を船舶に頼っているスーパーや小売店の関係者らは困惑顔。23日の旧盆入りも控え、影響の長期化を不安視する声も聞かれる。

 

 海の便では19日鹿児島発下りのフェリーあけぼのが、徳之島以南について条件付きで出港した。20日上り予定だったクイーンコーラル8は19日のうちに臨時便として那覇を出港。奄美各島を抜港し、直接鹿児島に向かった。

 

 20日の上りは日程繰り上げで欠航が決まっている。マリックスラインによると、20日鹿児島発予定の下り便は当日午前中に運航の可否を決めるという。

 

 奄美の小売店関係者は船舶ダイヤの動向をにらみつつ、生鮮食品の入荷調整に気をもんでいる。奄美市名瀬で5店舗を展開するスーパー「グリーンストア」は、牛乳など消費量の多い生鮮品は平時の2~3倍の量を入荷した。

 

 里泰慶社長は「生鮮食品は賞味期限の問題もあるのであまり大量に仕入れられないが、台風20号の影響も気にかかる。調整が難しい。お盆用の鮮魚や肉など、本土産に頼っている商品も多い。台風が通過しても、海が荒れれば船の欠航も続くかもしれない」と、旧盆商戦への不安ものぞかせた。

 

 買い物客からも台風の影響長期化を心配する声が聞かれた。同市名瀬の50代女性は「週の後半まで影響が出るかも知れない。台風の進路予想を見ながら、必要なものはしっかり確保しておきたい」と話した。