喜界町「命の講演会」 「お~い!喜界島」が企画

2018年07月26日

地域

自らの移植体験を通し、命の大切さを訴える大井さん=22日、喜界役場コミュニティーホール

自らの移植体験を通し、命の大切さを訴える大井さん=22日、喜界役場コミュニティーホール

 北海道と喜界島をつなぐラジオ番組「お~い!喜界島」は22日、「親子で聴く命の講演会」を喜界町役場コミュニティーホールで開催した。幼児を含む町内の親子ら約30人が聴講。講話やワークショップを通し、白血病について学んだ。参加者は普通に生活できることの幸せや命の大切さを実感した。

 

 「お~い!喜界島」は今年で3年目。番組メインMCの大井弘幸さんは北海道赤平市役所勤務。地域活性化団体「北海道どさんこパンチ」の代表も務める。妹が急性白血病を発症した際、自身の骨髄を移植した。この経験をきっかけに、命の大切さを伝える活動に取り組んでいる。今回の講演会は昨年11月から準備を進めた。

 

 講師は喜界徳洲会病院の古賀翔馬医師。白血病に関するイラストを多用し、子どもたちにも分かりやすく説明した。白血病になった友人を例に挙げ、「化学療法と骨髄移植で治る病気。骨髄バンクは助け合いの仕組み」と述べた。

 

 骨髄移植を経験した大井さんは「白血病の発症率は四つ葉のクローバーを見つけるのと同じくらいの確率。移植ができる骨髄は6ピースのパズルが全部合うような感じ」と表現し、白血病の患者を持つ家族の気持ちや命の大切さを伝えた。

 

 ワークショップでは、「家族が白血病になったらどんな言葉をかけるか」をテーマに、ポストカードにそれぞれの思いを記入した。「いつもおいしいごはんをありがとう」と感謝の言葉をつづった児童もいれば、「大丈夫だよ」と声を詰まらせながら呼び掛ける人も。喜界高校野球部名物「お母さんコール」をOBの夏目淳一さん(35)が再現し、会場を沸かせる場面もあった。