堀井さん、村田新八語る/喜界町

2018年07月05日

地域

村田新八を語る(右から)堀井さん、東川さん=1日、喜界町役場コミュニティーホール

村田新八を語る(右から)堀井さん、東川さん=1日、喜界町役場コミュニティーホール

 喜界町役場コミュニティーホールで1日、明治150周年記念トークイベントがあった。今回のテーマは「村田新八」。大河ドラマ「西郷(せご)どん」で村田を演じる俳優・堀井新太さんも出演。ゆかりの場所についての説明、ドラマ撮影の裏話も披露した。訪れた約200人は興味深そうに聴き入っていた。

 

 村田新八は「西郷隆盛の右腕」と呼ばれ、明治維新に重要な役割を果たした。寺田屋騒動を扇動したとして、喜界島に流され、2年間過ごした。西南戦争で西郷の最期を見届けた後、政府軍に突撃し戦死したとされる。

 

 基調講演は、まちづくり地域フォーラム・かごしま探検の会代表理事でドラマの史料取材にも協力している東川隆太郎さんが登壇した。鹿児島市内の村田生誕の地や喜界島に流されるきっかけなどを説明した。

 

 西南戦争で戦死した喜界町伊実久出身の前田盛秀についても言及。「村田が喜界島に滞在していた時、前田は3歳。村田のことを伝え聞いて従軍した可能性はゼロではない」と解説した。西南戦争に喜界島から従軍した熊谷誠輔、片倉鄭龍両医師についても触れた。

 

 後半は俳優の堀井新太さんが登場。東川さんとともにトークショー形式で喜界島や村田の人柄、ドラマの共演者などについて語った。堀井さんは「村田新八の考え方が大事だと思っている。ドラマの中で村田の人柄を表現しているファッションにも注目してほしい」と述べた。

 

 村田が滞在した喜島家の子孫・中澤卓司さんも加わった。村田は当時、養蚕の手伝いもしていたといわれる。中澤さんは村田が蚕の気持ちになって「ゆわさゆわさ(おなかすいた)と言っておるが」と方言を使ったことを紹介しつつ、「村田新八のこと、喜界島に滞在していたことをもっと知ってほしい」と述べた。

 

 堀井さんは「喜界島に来られたのも新八のおかげ。自然があって時間がゆっくり流れるすてきな島。新八修養の地・喜島家では不思議な力も感じた。今後、ドラマの中で村田新八の目線やたたずまいなどが変わってくる。楽しみにしていてください」と呼びかけた。

 

 夫婦で聴講した峯得克徳さん(57)は「今年は鹿児島の南洲墓地にも行った。村田新八が実在したことを実感し、身近に感じた」と感想を述べた。この日は、村田が滞在していた喜島家も開放され、多くの人が訪れた。