多機能港湾新設で期成同盟会設立 天城町

2020年08月01日

地域

平土野港の多機能港湾新設を目指す期成同盟会の設立総会=31日、天城町

平土野港の多機能港湾新設を目指す期成同盟会の設立総会=31日、天城町

 天城町平土野港の多機能港湾新設を目指す期成同盟会の設立総会が31日、同町役場であった。国や県に対して多機能港湾新設の陳情を行うとともに、同港周辺の整備や再開発策を協議し、地域活性化を進める。会長に天城町長の森田弘光氏、副会長に神田和基氏を選出した。

 

 同港は大型クルーズ船寄港地開発に関して、国土交通省が奄美大島と徳之島をモデルケースに実施した調査で、徳之島から唯一候補地に選ばれた。2011年度から現在までに9回クルーズ船を受け入れた一方、定期航路の緊急入港の影響で、クルーズ船が離接岸を繰り返す事案も発生。徳之島3町議員大会で15年と18年に多機能港湾新設整備の要望を採択するなど機運が高まっていた。

 

 期成同盟会は地元側の組織を強化して整備への熱意を国や県に届け、新設を実現しようと町議会や住民、経済、観光など各種団体代表ら14人で設立。森田会長から委員へ委嘱状が手渡された。

 

 事務局(町企画財政課)は3月に町側がまとめた多機能港湾基本構想を解説した。同港周辺には平土野商店街があることから「クルーズ船寄港による地域振興や活性化が見込まれ、定期船や貨物船の安定的な寄港で生活物資や農畜産物の輸送にもつながる」と説明。波の影響を受けにくく、同港の北側に位置する喜治海岸も含めた一体的な整備も提案した。

 

 森田会長は「多機能港湾は世界自然遺産登録に伴うインバウンドへの対応のために必要。整備を大きな夢として、天城町と徳之島が一つになって実現へ取り組んでいく」と述べた。

 

 委員からは「新設に合わせて現在の平土野港も機能強化を」「平土野集落自ら将来像を描き、集落の活性化へやる気を示してほしい」などの意見があった。