天城で最大瞬間風速30・9㍍ 台風10号

2018年07月22日

地域

大雨で冠水寸前の道路=21日午後3時15分ごろ、知名町知名

大雨で冠水寸前の道路=21日午後3時15分ごろ、知名町知名

 台風10号は21日、沖縄本島付近を通過し、奄美地方全域を風速15㍍以上の強風域に巻き込みながら東シナ海を北上した。天城町で午前10時22分に最大瞬間風速30・9メートルを観測。同町で午前11時14分までの1時間に7月の最大値を更新する73・5ミリの非常に激しい雨が降った。奄美市名瀬の60代女性が風にあおられて転倒し、負傷した。群島内で最大約7900戸が停電。奄美関係の海と空の便は全便が欠航した。停電は午後6時すぎに全て復旧した。

 

 名瀬測候所によると、奄美地方は21日朝までに全域が強風域に入り、台風は同日午前8時に最接近し、与論島の南南西約50キロに達した。最大瞬間風速は伊仙町で午前8時47分に29・6メートル、和泊町で午前6時46分に27・8メートルを観測したほか、奄美各地で20メートルを超えた。

 

 台風に伴う発達した雨雲が流れ込んで各地で大雨となり、1時間雨量は伊仙町で午前11時5分までに46ミリ、和泊町で午後1時20分までに39ミリを観測した。

 

 天城町では午前11時20分までの3時間雨量が観測史上最大の158・5ミリに達し、24時間雨量が230ミリを超え7月の最大値を更新した。名瀬測候所は午後0時38分、天城町に土砂災害警戒情報を出し、土砂災害への厳重な警戒を呼び掛けた。

 

 19日午後7時の降り始めから21日午後4時までの総降水量は▽天城町233・5ミリ▽和泊町155・5ミリ▽伊仙町103・5ミリ。

 

 奄美地方は22日朝までに強風域を抜ける見込み。海上はうねりを伴う波の高さが5メートルとしける見込み。22日午後6時までに予想される雨量は多い所で1時間に30ミリ、24時間に60ミリ。名瀬測候所は高波や土砂災害に注意を呼び掛けている。

 台風は東シナ海を北上して22日に中国大陸に上陸し、23日に熱帯低気圧に変わる見込み。