奄美和光園でハンセン病入所者絵画作品展

2018年04月05日

地域

国立療養所奄美和光園で開幕した絵画作品展「ふるさと、奄美に帰る」=4日、奄美市名瀬和光町

国立療養所奄美和光園で開幕した絵画作品展「ふるさと、奄美に帰る」=4日、奄美市名瀬和光町

 国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(熊本県)の絵画クラブ金陽会作品展「ふるさと、奄美に帰る」(同実行委員会主催)が3日、奄美市名瀬の国立療養所奄美和光園あすなろホールで始まった。故郷に帰れないまま亡くなった奄美大島出身の大山清長さん、奥井喜美直さんの作品をはじめ、会員それぞれの家族や故郷への思いを込めた作品44点を展示している。入場無料、10日まで(午前9時~午後5時)。

 

 同会は1953年に発足。現在も唯一活動する吉山安彦さん(89)がこれまでの作品を保管していたおかげで、今作品展が実現した。大山さんと奥井さんの作品には奄美の動植物や風景などが多く描かれており、故郷を懐かしむ気持ちが伝わってくる。

 

 作品展は奄美3カ所を巡回。2カ所目の今会場では、日本画家田中一村が描いた奄美和光園入所者の肖像画や、ハンセン病隔離政策にあらがい続け、奄美和光園にも在職した小笠原登医師の絵画作品などを紹介している。

 

 主催・事務局の一般社団法人ヒューマンライツふくおか理事、藏座江美さんは「3会場で展示作品、意味づけが異なる。和光園のスタッフや入所者にも作品を知ってもらうきっかけになれば」と話した。

 

 作品展は4月20日~5月13日、奄美市名瀬笠利町の田中一村記念美術館でも開催される。