奄美大島、初感染者2人 新型コロナ、来島者起因か

2020年04月18日

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奄美市での新型コロナウイルス感染者確認を受け記者会見する三反園知事=17日午後7時半すぎ、県庁

奄美市での新型コロナウイルス感染者確認を受け記者会見する三反園知事=17日午後7時半すぎ、県庁

 【鹿児島総局】県は17日夜、新型コロナウイルスの感染者が新たに2人確認されたと発表した。感染したのは奄美市の40代自営業男性と、同居する30代パート女性。いずれも県内の感染症指定医療機関に入院中で、健康状態は安定しているという。県内で同じ日に複数の感染者が確認されたのは初めてで、奄美大島での感染確認も初。男性は埼玉県で陽性が確認された男性と島内で数日間、行動を共にしており、県はこの男性から感染したとみている。濃厚接触者として判明しているのは、島内在住の男女12人で18日にPCR検査を行う。

 

 三反園訓知事や県担当者によると、男性は4月2日に来島した埼玉県の男性らを奄美空港で出迎え、3日から4日にかけて一緒に遊漁船で釣行。埼玉県の男性は4日に発熱があったため、5日は島内のホテルで静養して6日に東京に戻った。8日にPCR検査を行い、陽性が確認された。

 

 奄美市の男性は12日に37度前後の発熱があり、その後、せきを伴う発熱(37~38度台)が続いた。埼玉県の男性が感染したと連絡を受け、16日に検体を採取。17日にPCR検査を行い陽性が判明した。12日以降は自宅待機を続けていたという。

 

 同居する女性については、15日にのどに違和感を感じたが出勤。16日に帰国者・接触者外来を受診し、17日のPCR検査で陽性が判明した。2人とも現在、症状は出ていない。

 

 濃厚接触者は、11日に男性と同じ遊漁船に乗っていた6人(全員男性。40代3人と50代、60代、70代各1人)と、女性の職場の同僚など6人(10代女性1人、40代の男性1人と女性2人、50代男性1人、60代男性1人)の計12人。

 

 いずれも島内に住んでおり、発熱などの症状はない。18日朝に検体を採取し、鹿児島市に運んでPCR検査を行う。検査結果は同日中に判明する見通し。

 

 県は「公表基準に適合しない」として、男性や女性の具体的な勤務先については明らかにしていない。

 

 県外から訪れた人に接触して感染したとみられる事例は初めて。三反園知事は「県外からの訪問者については2週間の健康観察を強く求めていた。県境をまたいだ移動による感染の可能性を、改めて強く感じた」と述べた。