奄美大島で9月13~24日に日米実動訓練

2019年08月09日

地域

陸自奄美駐屯地で日米実動訓練に用いられる中距離地対空誘導弾(中央奥)=7月、奄美市名瀬

陸自奄美駐屯地で日米実動訓練に用いられる中距離地対空誘導弾(中央奥)=7月、奄美市名瀬

 防衛省陸上幕僚監部は8日、今年3月に新編された陸上自衛隊奄美駐屯地で行われる米陸軍との実動訓練(オリエント・シールド19)の概要を明らかにした。奄美大島では9月13~24日に行われ、陸自側約30人、米陸軍側約30人が参加する。主に中距離地対空誘導弾(中SAM)の警備を中心とした共同警備訓練を行う。

 

 オリエント・シールドは、毎年陸自が国内で行っている米陸軍との共同実動訓練。陸自と米陸軍がそれぞれの指揮系統に従って共同作戦を行い、連携強化と対処能力の向上を図ることを目的としている。

 

 奄美大島では9月13日から訓練準備に入り、実動訓練は14~23日。24日は撤収に当てられる。

 

 奄美駐屯地内で行われ、同駐屯地の中SAM部隊約30人が、03式中SAMを配置し警備する。中SAMは飛来してくる航空機やミサイルを迎撃する防空用のミサイルシステム。

 

 米陸軍側は米国本土から第33歩兵旅団戦闘団第2―106騎兵大隊30人が奄美入りし、駐屯地内のエリア警備に当たる。個人携行の火器は持ち込む予定だが、大規模な装備品の搬入計画はないという。

 

 陸幕によると、訓練期間中、米軍兵士は基本的に駐屯地内に滞在し、民間の宿泊施設は利用しない。また、実弾を使用した射撃訓練や、民間地での訓練展開も行わない。

 

 陸幕は日米共同訓練を部隊の新編から間もない奄美大島で行うことについて「島しょ部での対処能力向上という目的はあるが、主要な訓練地は九州本土。奄美地域を意識したわけではない」と話している。

 

 オリエント・シールドは奄美以外の地域では8月26日~9月23日、熊本県の健軍駐屯地、大矢野原演習場、高遊原分屯地、北海道の矢臼別演習場で行われ、総勢で陸自側約950人、米陸軍側約950人が参加する。

 

 近年、米陸軍が取り組む「マルチ・ドメイン・タスク・フォース」(歩兵、砲兵、航空、防空、サイバーなど戦闘に必要な機能を併せた部隊)と連携するもの。陸自側も今年3月に熊本に新編されたサイバー攻撃への対処を担う「西部方面システム防護隊」などが参加し、共同訓練を行う。サイバーや電磁波などの新領域での日米共同訓練は、これまで米国本土で行うことはあったが、国内で行うのは今回が初となる。