奄美市で「島サバクリエイティヴ」

2018年03月26日

地域

各島の発表者が経験や取り組み、将来の展望などを発表した「島サバクリエイティヴ」   奄美群島チャレンジ事業見本市=25日、奄美市名瀬

各島の発表者が経験や取り組み、将来の展望などを発表した「島サバクリエイティヴ」
奄美群島チャレンジ事業見本市=25日、奄美市名瀬

 奄美群島で島おこしに取り組む人の活動や体験談を発表するプレゼンイベント「島サバクリエイティヴ―GCD(ガシド)」(奄美群島広域事務組合)が25日、奄美市名瀬の集宴会施設であった。農業や地場産品を活用した産業創出、島内の自然、観光ガイドなどの分野で活動する男女8人が体験で学んだことや将来の展望を発表。「チャンスは自分で見つけるもの」「島に生まれた誇りと感謝を胸に」といった力強い言葉に会場から共感の拍手が寄せられた。

 

 奄美群島12市町村が2013年度に掲げた群島成長戦略ビジョンに基づく人材育成事業の成果発表の場で、本年度で4回目。

 

 沖永良部島でサロンバーを経営する前田勇治さん(37)は数年前、地場産品の加工品を開発する「島の恵み工房」を設立。地場産ジャガイモの規格外品を活用したスープやお菓子を開発し、県内外の物産展にも出展している。

 

 販路拡大などの苦労にも触れながら「西郷(せご)どんブームやJALのアイランドホッピングルート開設など、沖永良部島に吹く追い風をチャンスと捉え、そこから上を目指したい。店、ボトル、グラス、そして自分も磨きたい」と力を込めた。

 

 NPO法人徳之島虹の会会員で、認定ガイドとして活動する常加奈子さん(36)は、南西諸島で発生したサンゴの大規模な白化現象がきっかけでサンゴの移植による保全や海の生物への興味が高まったという。

 

 森や山へも関心が広がる中で「島の自然を正しく島内外の人々に伝えたい」と講座を受けて認定ガイドになったそうで、「島に誇りを持ちながら、自分にできることを精いっぱい取り組み、この島の自然を未来に残したい」と目標を掲げた。

 

 イベントは、本年度始まった「奄美群島チャレンジ事業見本市」と同時開催。会場には、奄美大島産コーヒー、泥染めや大島紬の技法を生かした小物や衣料品など、群島内で起業した6個人団体のブースが設けられ、来場者の関心を引いていた。