奄美空港の運航再開 JAC機トラブルで調査官来島

2020年01月10日

地域

滑走路のタイヤ痕などを調査する調査官ら=9日、奄美空港

滑走路のタイヤ痕などを調査する調査官ら=9日、奄美空港

 日本エアコミューター(JAC)3830便ATR42のトラブルで8日朝から滑走路を閉鎖していた奄美市笠利町の奄美空港は9日、航空機の運航を再開した。早朝から航空券を求める客が建物前に並び、ロビーは乗降客と見送りや出迎えの住民などで混雑した。国土交通省運輸安全委員会の航空事故調査官が同日来島し、原因を調査した。

 

 トラブルが発生したのは8日午前10時ごろの喜界島発奄美行きの便。着陸後に滑走路を外れて草地に入り、自走できない状態になった。乗客・乗員21人にけがはなかった。

この影響で福岡や那覇などを結ぶ計35便が欠航した。

 

 国交省は今回のトラブルを「事故につながりかねない重大インシデント」に認定。吉田眞治統括航空事故調査官ら3人を派遣して9日、滑走路や機体の実況見分を行った。

 

 トラブルがあった機体の移動は8日午後11時すぎに完了し、9日は午前8時すぎに福岡空港からの第1便が到着した。一方、機材繰りでピーチの成田―奄美便が欠航するなど9日も影響が出た。

 

 空港ではチケットを手に入れようと早朝から待機する客の姿が見られ、玄関が開けられた8時ごろには窓口に列ができた。キャンセル待ちで午前6時半から待っていたという東京都の関戸克子さん(77)は「昨日は飛行機が飛ばず大変だったが、鹿児島経由のチケットを押さえた。薬の予備が1日分しかなかったので安心している」とほっとした表情を見せた。

 

 9日の実況見分を終え吉田統括航空事故調査官は「タイヤ痕や当時の気象状況、関係者の話などで総合的に判断する。現時点では機体に大きな損傷や不具合などは見つかっていない」と語った。今後1年以内に結果を報告するとしている。

 

 10日は午前9時ごろから引き続き奄美空港の滑走路を調査した後、鹿児島空港で乗員らから話を聞くという。

実況見分について語る吉田統括航空事故調査官=9日、奄美空港

実況見分について語る吉田統括航空事故調査官=9日、奄美空港