宇検村で豊年祭シーズン幕開け

2019年08月11日

地域

豊年祭の始まりを告げる「振り出し」=10日、宇検村屋鈍集落

豊年祭の始まりを告げる「振り出し」=10日、宇検村屋鈍集落

 集落の繁栄と五穀豊穣を祈る宇検村の豊年祭が10日、久志、屋鈍両集落を皮切りに始まった。あいにくの雨天下、相撲や八月踊りが土俵で奉納された。9月15日までの約1カ月間、村内14集落で行われる。

 

 屋鈍集落(29世帯、57人)は奄美で最初に4本柱の土俵やぐらができたと言われ、昔から相撲が盛んな地域。同日は、その日の風向きで出発地点を決めて土俵まで練り歩く「振り出し」で始まった。

 

 振り出しは「トックリ」と呼ばれる大きなかめを男児が運ぶのが特徴。25人の力士たちは列をなし「ヨイヤヨイヤ」「ワイドワイド」と勇ましい掛け声を掛け合い、トックリを担ぎながら土俵入りした。

 

 豊年祭には近くの集落や島内外の出身者を含め、約200人が参加。初土俵入りする乳幼児や、なかなか相撲を取ろうとしない幼児らの取組に、会場からは大きな声援や拍手、笑い声があふれた。

 

 屋鈍は6月の大雨による土砂崩れで1カ月以上道路が通行止めになり、3週間前に規制解除になった。崎初夫区長(67)は「大変心配をおかけした。こうしていろんな方の協力で豊年祭を無事開催でき、本当にありがたい」と話していた。

 

 相撲の後には八月踊りが奉納され、集落にはチヂン(太鼓)の音と歌声が響いた。