戸口に「放浪館」オープン 子ども向け図書館、蔵書5千冊 龍郷町

2019年05月20日

地域

放浪館周辺で野草採りを楽しむ小学生ら=19日、龍郷町戸口

放浪館周辺で野草採りを楽しむ小学生ら=19日、龍郷町戸口

 龍郷町戸口に児童用の蔵書を備えた私設図書館「放浪館」がオープンした。館内には児童向けの伝記や漫画約5千冊があるほか、戸口出身の画家・保忠蔵の絵画も展示されている。19日は町内の児童を対象とした年間ワークショップ「放浪館志塾」の1回目が開かれ、児童らが野草採取や郷土料理作りに挑戦した。

 

オープンした放浪館の内壁に描かれた大宮エリーさんの作品

オープンした放浪館の内壁に描かれた大宮エリーさんの作品

 放浪館は戸口出身で香港在住の渡伸一郎氏が、子どもたちの豊かな創造性を育もうと建てた。3階建てで、1階にはギャラリーやシアタールーム、2階にはダイニングルーム、3階には多目的スペースなどがある。各階に備わる図書棚には児童向けの図書があり、貸し出しはできないが自由に読むことができる。

 

 1階のギャラリーには保忠蔵の作品が展示されているほか、内壁には作家や脚本家として活躍する大宮エリー氏の壁画がある。中庭にはスペインの作家ジャウメ・プレンサ氏のオブジェも設置。アートに触れながら読書を楽しむことができる。

 

 放浪館を拠点に毎月1度開催される「放浪館志塾」は事前に登録した龍郷町内の小学4~6年生が▽奄美の自然や文化▽英語と異文化交流▽表現とアート―などワークショップ活動を行う。

 

 19日は約20人の児童が奄美自然観察の森の川畑力指導員らと野草採取に挑戦。奄美食文化研究家の久留ひろみさんを招き、よもぎ餅作りや英国紅茶の体験学習が行われた。

 

 野草採りに挑戦した龍瀬小4年の田畑綾華さん(10)は「ツワブキは食べたことがあったけど長命草はない。どんな味がするか食べてみたい」と興味深そうに話した。

 

 放浪館の開館日は月、水、金曜日の午後2~6時、日曜日の午後1~6時。入場無料。