東日本大震災 祈りのハーモニー

2019年03月12日

地域

歌に乗せて被災地への祈りをささげた参加者=11日午後2時50分ごろ、奄美市名瀬

歌に乗せて被災地への祈りをささげた参加者=11日午後2時50分ごろ、奄美市名瀬

 東日本大震災から8年を迎えた11日、ピアノの調べに合わせて犠牲者を追悼するイベントが奄美市名瀬のAiAiひろばであった。「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニー」と題して全国20カ所で同時開催。市民ら約200人が参加し、歌に乗せて被災地の復興を願った。

 

 イベントは、県内の商店主らでつくる「鹿児島まち自慢快発考舎」が地域おこしを目的に、家庭で使われなくなったピアノを譲り受け、誰でも自由に弾けるように商業施設に設置したストリートピアノプロジェクトが発端。震災翌年の2012年に始まり8回目。

 

 奄美市では15年9月にAiAiひろばにピアノが設置され、4回目の開催。同市の女声合唱団「ラ・メール」が主催した。

 

 ラ・メールを主宰する築島成子さんは「私たち奄美の清らな心を、東北の方々への鎮魂の思いと、頑張ってくださいという気持ちとともに歌に託し、南風(はえ)に乗せて届けたい」とあいさつ。

 

 会場には被災した宮城県仙台市に本拠地を置き、奄美市で合宿中の七十七銀行硬式野球部の小河義英監督も駆け付け、震災当時を振り返りながら「東北地方は少しずつ復興、復旧しているが、心の傷は払拭(ふっしょく)しきれない。全国各地の方々の思いは励みになる。野球部の活躍で奄美の人に恩返しをしたい」と話した。

 

 本震のあった午後2時46分、参加者全員で黙とうをささげた後、西平絹子さんのピアノ伴奏に合わせて「ふるさと」と復興支援ソング「花は咲く」を高らかに歌い上げた。

被災地の思いを語った七十七銀行硬式野球部の小河監督

被災地の思いを語った七十七銀行硬式野球部の小河監督