水間俊文さん、八段に昇格 奄美出身棋士

2020年11月05日

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囲碁を通じた国内外での教育活動にも取り組む水間八段=日本棋院東京本院 

囲碁を通じた国内外での教育活動にも取り組む水間八段=日本棋院東京本院

 奄美市出身の棋士、水間俊文さん(47)が7月、八段に昇段した。囲碁の普及活動にも積極的に取り組んでいる水間さんには国内外のファンから多くの祝辞が寄せられている。日本棋院の最高段位九段への昇段に必要な勝数は200。プロ30年目の決意を碁石に込める。

 

 水間さんは、祖父の良三さんが同市名瀬井根町で碁会所を開いていたという環境で育った。奄美小6年生のときに鹿児島県大会で3位に入賞。2学期にはプロ棋士を目指して単身上京し、17歳でプロになった。

 

 1990年に入段。2002年に七段になり、150勝を積み重ねて今年ついに八段に昇段した。棋士として対局に挑む傍ら、学校で囲碁を教える「学校囲碁指導員」を養成し、国内外で囲碁の普及に尽力。アメリカやオランダ、シンガポールやマレーシアでも多くの囲碁愛好家を育てた。

 

 愛好家やファンらからは「指導も紳士的で、『入門会員』のテキストも丁寧な解説でわかりやすい。八段昇格は待ち望んでいた知らせ。おめでとうございます」といった祝辞が寄せられた。

 

 「囲碁は考える力とコミュニケーション能力を育むと同時に、自分と向かい合う姿勢も育まれる。子どもたちには楽しむことに加え、相手を思いやることを教えている」と語る水間さん。「囲碁を通した教育展開や地域コミュニティーの活性化など、何らかの形で生まれ育った奄美にも恩返しがしたい」と古里への思いも語った。