沖縄との直行便の効果実感 /路線運賃の低減求める声も /沖永良部島

2018年08月02日

地域

沖永良部島空港に到着した那覇発のJAC機=7月31日、和泊町

沖永良部島空港に到着した那覇発のJAC機=7月31日、和泊町

 日本エアコミューター(JAC、本社霧島市)が7月1日に奄美大島―徳之島―沖永良部島―那覇(沖縄本島)を結ぶ「アイランドホッピングルート」を開設して1カ月がたった。那覇との直行便が新設された沖永良部島では、沖縄経由の入り込み客増に一定の手応えを感じる一方、那覇―沖永良部路線の運賃低減を望む声も出ている。

 

 観光案内窓口のエラブココ(知名町屋者)には夏休みが始まった7月下旬以降、訪れる人が増加。日曜日に当たった29日は旅行者を中心に80人余りの来客があり、アクセサリー作りなどの体験メニューの利用も好調だった。

 

 同施設を管理するおきのえらぶ島観光協会の古村英次郎事務局長は沖縄直行便の開設効果を実感している一人。「旅行者に話を聞くと関東など都市部から沖縄経由で来島した人が多い」と話す。

 

 観光協会では効果促進を狙って、奄美の南3島連携による沖縄への売り込みも計画。同協会の前登志朗会長は「近く徳之島、与論島の各観光協会の会長や事務局が一堂に集まり、沖縄に向けた情報発信など3島が連携した取り組みを議論していく」と意気込む。

 

 その上で、前会長は那覇―沖永良部の運賃低減化を今後の課題に挙げた。「奄美各島を結ぶ他路線などで利用されている(奄振)交付金などを活用した、運賃割引を求める声が島内でよく聞かれる」とも指摘した。

 

 29日に大阪から沖縄経由で沖永良部島に初来島した松田美智子さん(76)は「大阪はがちゃがちゃしているから、この島は素朴で素敵やなと感じた。フーチャで見たウミガメがかわいかった」と旅行を満喫した様子。一方で「マイレージ(航空会社のポイント制度)が貯まってたから行く気になれたが、大阪から沖永良部はほんまに高いで」とも話していた。

 

 JACの運賃案内によると、那覇―沖永良部は片道で大人普通運賃2万1200円、最安1万800円(ウルトラ先得・75日前)。

 

 沖永良部空港利用促進協議会の今井力夫副会長(知名町長)は「沖永良部の人にとって沖縄は生活圏でもあり、運賃がこの路線の一番の課題と考えている。JACの株主総会や奄美の市町村長が集まる広域の会議で、これまでも運賃低減に関連した要望や意見を出しているが、今後も機会あるたびに主張していく」と語った。

 

 JAC総務部は「搭乗率などの公表はこれからだが、地元の皆さんの理解や協力で那覇―沖永良部線含め好調な滑り出しと受け止めている」とコメントした。