漁船パレード、餅なげも 住民、出身者集う 奄美市住用町山間

2018年06月11日

地域

船上からの餅投げに歓声が上がった山間集落の浜下れ行事=3日、奄美市住用町の山間港

船上からの餅投げに歓声が上がった山間集落の浜下れ行事=3日、奄美市住用町の山間港

 鹿児島県奄美市住用町の山間(やんま)集落(潤井美登区長、112戸202人)の浜下れ(ハマオレ)行事が3日、山間港であり、住民や出身者ら約100人が集って、漁船の海上パレードや餅投げを楽しんだ。

 

 文献などによると、浜下れは本来、稲の害虫を防ぐ稲作祭事の一つ。畑の害虫を捕って浜に下り、海に捨てて豊作祈願を行ったとされる。

 

 山間集落では毎年6月の日曜日に開催。色とりどりの大漁旗を立てた地元の漁船5隻が湾内をパレードした後、港で待ち構えていた住民へ船上から勢いよく餅がまかれた。

 

 浜下れの餅は1年の健康を祈る縁起物とあって、子どもからお年寄りまで歓声を上げて拾っていた。

 

 潤井区長(66)によると、以前は浜下れに合わせて舟こぎ競争なども行われていたが、10年ほど前から現在の漁船パレードや餅投げに変わった。潤井区長は「住民と出身者みんなが集まる大切な行事。交流を深める機会として、これからも続けていきたい」と話していた。