生前の姿や功績語り合う 終焉家屋で一村祭 奄美市名瀬有屋

2018年09月13日

地域

ソテツの葉を田中一村の遺影にささげる出席者ら=11日、奄美市名瀬

ソテツの葉を田中一村の遺影にささげる出席者ら=11日、奄美市名瀬

 奄美に縁の深い日本画家、田中一村(1908~77)をしのぶ「一村祭」が命日の11日、奄美市名瀬有屋町の一村終焉家屋であった。地元有志ら16人が出席し、在りし日の一村をしのんだ。

 

 一村を顕彰するため、有志で組織する一村会が1989年から毎年開催している。出席者は床の間に設けた祭壇の遺影にソテツ葉をささげて冥福を祈った後、生前の姿や功績について語り合い、島唄を歌って一村をしのんだ。

 

 一村会の美佐恒七会長(70)は「一村の作品や生きざまに魅力を感じている仲間と続けてきた。世界中の人に一村を知ってもらえるようこれからも活動したい」と語った。

 

 一村は栃木県生まれ。1958年に奄美大島に移住。大島紬の染色などをしながら、「クワズイモとソテツ」「アダンの海辺」など数々の傑作を残した。