県奄美パークリニューアル 奄美市笠利町

2018年07月10日

地域

テープカットでパークの新たな門出を祝う関係者=8日、奄美市笠利町

テープカットでパークの新たな門出を祝う関係者=8日、奄美市笠利町

 奄美市笠利町の県奄美パーク・奄美の郷がリニューアルし、運用を開始した8日、記念式典があった。4K映像やAR(仮想現実)などの最新技術を用いた展示物を充実させ、多言語(日英中韓)に対応。幅広い年齢、国籍の来館者を想定して奄美の自然・文化を分かりやすく紹介している。実際に展示物を体験した出席者から、国内外へ向けた奄美群島全域の情報発信拠点として期待が寄せられた。

 

 奄美パークは2001年9月、奄美の自然・歴史・文化を発信する総合施設として開設された。総合展示ホールやイベント広場などからなる「奄美の郷」(延べ床面積約3千200平方㍍)と、奄美を終えんの地として過ごした日本画家田中一村の作品を展示する「田中一村記念美術館」(同約2千平方㍍)の2施設をメインとして、野外ステージや展望台などを備えている。

 

 リニューアルでは各島ごとの特徴を紹介する「アイランドインフォメーション」を一新したほか、ミニシアターに奄美・沖縄の自然や文化を描く2本を追加。展示ホールの内容も一部変更し、観光情報コーナーも新設した。

 

 アイランドインフォメーションには各島の形を模したテーブルが登場。映像と音楽で、島歩きをするようにそれぞれの食、文化、行事などを知ることができる。発信している観光スポットの情報はスマートフォンに転送でき、実際の訪問につなげる狙いだ。

 

 展示ホールには仮想現実技術でケンムンやハブと記念写真が撮れる仕掛けや八月踊りの振り付けを学べるゲームなど、来館者の好奇心をくすぐる展示物が追加された。

 

 式典では宮崎緑園長が「地元の良さを島民自身に気付いてもらうというオープン時の目標が次の段階へ進み、これからは世界へ、次の世代へと魅力を伝えるという使命なった。ここから観光のムーブメントをつくりたい」とあいさつ。

 

 岩切剛志県副知事や松本俊一県大島支庁長、朝山毅奄美市長ら関係者12人がテープカットでパークの新たな門出を祝った。節田小学校の児童らによる太鼓演奏と地元唄者の島唄も花を添えた。

 

 式典後は全ての展示物が始動し、出席者や来場者が実際に体験。巨大なタッチパネルで奄美固有の動植物を探すゲームは子どもたちに人気で、各島の行事を紹介するミニチュア模型も注目を集めていた。

 

リニューアルした展示物を楽しむ来場者=8日、奄美市笠利町

リニューアルした展示物を楽しむ来場者=8日、奄美市笠利町

 リニューアルの総事業費は約2億4千万円。奄美群島振興開発事業を活用し、国と県がそれぞれ半分ずつ負担した。

 

 同園は第1・3水曜日が休園日(祝日の場合は翌日)で、時間は午前9時~午後6時(7・8月は午後7時)。入場は奄美の郷総合展示ホールとミニシアターが有料で大学生以上310円、田中一村記念美術館は500円。