試し勤務体験のデザイン企業 伊仙町に出先拠点を開設

2018年09月02日

地域

テープカットで開所を祝う近藤社長(右から2番目)=1日、同町伊仙

テープカットで開所を祝う近藤社長(右から2番目)=1日、同町伊仙

 伊仙町が2017年度に実施した総務省のモデル事業「お試しサテライトオフィス」でお試し勤務を体験したデザイン会社㈱モスク・クリエイション(本社・東京都港区)は1日、同町伊仙に伊仙町オフィスを開設した。同事業体験企業の事務所開設は初めて。同社は「徳之島で大きく根を張り、雇用確保や情報発信の強化など、島全体の地域活性の一助になりたい」としている。

 

 同社はウェブサイト制作や写真・映像撮影、広告制作など手掛ける企業で、従業員は25人。静岡県に支社があり、徳之島は3拠点目となる。昨年11月下旬から約1週間、お試しサテライトオフィスで伊仙町を訪れ、自然環境などを踏まえオフィス開設を決めた。

 

 オフィスは町が17年度空き家改修事業で整備した木造平屋の1軒家(約80平方メートル)を活用した。本年度は社員1人が常駐し、次年度以降は毎年度1人の地元雇用を進め、22年度には社員5人体制で支社昇格を目指す。オリジナル商品企画やフリーペーパーの制作、文化・農業などの体験プログラム企画など、新規事業にも取り組む。

 

 開所式には同社関係者や町職員ら約30人が出席した。近藤恵一社長(52)は「伊仙町と徳之島の可能性を感じている。この島に根付き、東京、静岡の各拠点を結び付けながら、島の発展とPRをしていきたい」と決意を述べた。大久保明町長は来賓あいさつで、事務所開設効果に期待を寄せた。

 

 町によると、お試しサテライトオフィスに参加した22社中、同社を除く4社が事務所開設を検討している。町は、進出企業向け税制優遇制度の検討と合わせ、スタッフ滞在用の空き家改修、宿泊施設創出事業などを展開するとしている。