警戒呼びかける「ワニ」 瀬戸内署員が手作り

2018年01月12日

地域

「ワニ」を手作りした西田警部補=10日、瀬戸内署

「ワニ」を手作りした西田警部補=10日、瀬戸内署

 「想定外の事件が起こり得る。しっかり対応しよう」―。瀬戸内警察署にこのほど、手作りのワニの置物が登場した。昨年秋に瀬戸内町で小型のワニ2匹が相次いで発見されたことを受け、教訓を残そうと考えた署員が製作。署長室から警戒に目を光らせている。

 

 昨年10月31日と11月3日、同町加計呂麻島の瀬相、於斉集落で住民が小型のワニを発見、瀬戸内署に通報した。シャムワニとイリエワニの交雑種とみられ、どちらも体長約60㌢。1匹は捕獲後間もなく死んだ。

 

 ワニは東南アジアからの漂着説など憶測が飛び交ったが真相は不明。同町は未発見のワニがいる可能性を想定して防災無線などで住民へ注意を呼び掛け、役場職員が島内全域で捜索を行うなど騒動となった。

 

 その後の目撃例はなく、生き残った1匹は研究のため静岡大学に引き取られた。瀬戸内署で対応に当たった生活安全係の西田大伸警部補(43)はワニを教訓として残そうと、休日を利用して新聞紙と色付きのガムテープで置物を手作りした。

 

 普段工作は全くしないという西田警部補。「不格好で恥ずかしい」と謙遜しながらも、「今回はけが人がいなかったことが幸い。身近に危険な生き物が現われたことで自分自身も戸惑ったし、住民の不安も感じた。今後も警戒を怠らないよう、署員を戒める存在になれば」と話した。