赤土流出防止で環境保全 徳之島

2018年12月05日

地域

講演で赤土流出防止の重要性に理解を深めた対策学習会=4日、徳之島町亀津

講演で赤土流出防止の重要性に理解を深めた対策学習会=4日、徳之島町亀津

 2018年度赤土等流出防止対策学習会(奄美地域赤土等流出防止対策協議会など主催)が4日、徳之島町の県大島支庁徳之島事務所会議室であった。徳之島3町と県の担当者など関係者50人が出席。優良事例表彰や講演があり、赤土流出の防止で自然環境を守っていくことの大切さを学んだ。

 

 赤土流出に伴う自然環境への影響について理解を深めようと、17年度に始まった。同協議会会長の松本俊一県大島支庁長は「赤土流出防止は行政、事業者、住民が一体となって対策を講じていくことが肝要」とあいさつ。奄美地域赤土流出防止対策優良事例として、伊仙町古里の稲村義久さんを表彰した。

 

 講演は工房海彩の代表で県希少野生動植物保護推進員などを務める池村茂さんが「サンゴの海~その魅力・徳之島」と題して講話した。サンゴ礁の調査を長年続けている池村さんはサンゴが死滅する要因として、高い海水温による白化現象をスライドで説明した上で「もう一つの大きな理由が赤土がサンゴを覆うこと。地形に合わせた工夫をして流出を防止してほしい」と訴えた。

 

 このほか、徳之島近海に生息するサンゴや魚、陸上の希少野生動植物の生態も解説。20年の世界自然遺産登録に向け、自然環境保全への協力も呼び掛けた。

 

 学習会は奄美大島、徳之島、沖永良部島の3島で3年に1回持ち回りで行う。19年度は沖永良部島で実施する。