龍郷町で「西郷どん」シンポジウム

2018年06月25日

地域

奄美の長寿を支える食や文化について語り合ったシンポジウム=24日、龍郷町

奄美の長寿を支える食や文化について語り合ったシンポジウム=24日、龍郷町

 NHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」の時代考証を担当している志学館大学教授の原口泉氏を招いたシンポジウム(南海日日新聞社主催)が24日、龍郷町のりゅうゆう館で開かれた。県食育シニアアドバイザーでもある原口氏が、ドラマでも紹介された奄美の食材などについて講話。西郷隆盛が龍郷町で暮らした3年間を「愛加那と出会い、島の食べ物と自然に癒やされた時代」と表現した。

 

 講話で原口氏は西郷の好物で同町の名物でもあるウナギや、西郷がよく狩りに出掛けていたというイノシシなどに言及。ドラマのストーリーをからめながら島の食と健康について話を広げた。

 

 後半は「奄美の食文化を未来につなぐ知恵」のテーマでパネルディスカッションがあった。タレントの柴さとみさんが司会を務め、県大島支庁の田中完総務企画部長と龍郷町議の伊勢勝義氏、原口氏が奄美の健康・長寿を支える食文化や風土について語り合った。

 

 伊勢氏は奄美大島の北部地域などで昔から野菜として利用されてきた島アザミやボタンボウフウの健康効果に注目。田中氏は「人の温かさやおおらかな風土も健康に影響している。長寿食と古老と触れ合う体験をセットにしたツアーなどを展開してはどうか」と提言した。

 

 原口氏は薩摩藩の武士たちが縁起物として重要視し、西郷家の庭先でも栽培されていたという「ナタマメ(刀豆)」についても紹介。会場外のロビーではナタマメの青汁なども振る舞われた。