龍郷町中勝で9棟全半焼

2018年12月08日

地域

9棟が全半焼した火災現場=7日午前4時40分ごろ、龍郷町中勝

9棟が全半焼した火災現場=7日午前4時40分ごろ、龍郷町中勝

 7日午前4時ごろ、龍郷町中勝で、住居と倉庫合計9棟(約510平方㍍)を全半焼する火事があった。約3時間後に鎮火し、けが人はなかった。奄美署などが同日に現場検証を行ったが、火元や出火原因は分かっていない。同署は放火の可能性も視野に事件、事故の両面で捜査している。

 

 現場は国道58号から中勝川を挟み、南方約100メートルにある住宅密集地。奄美署や大島地区消防組合消防本部などによると、同日午前3時57分、火事に気付いた住民から消防へ通報があった。消防本部と龍郷分署、地元消防団などから消防車9台が出動し、計46人で消火活動に当たった。

 

 奄美署などによると、全焼は奥村好南さん(74)、畠仁士さん(59)、里良子さん(66)、南スエ子さん(62)、大島克彦さん(68)、前多勝夫さん(71)の木造2階建て住家6棟と、コンクリートブロック造倉庫1棟の計7棟で8人が被災。部分焼は鉄筋コンクリート造2階建て1棟、プレハブ造平屋建て1棟の住家2棟で2人が被災した。

 

 被災した前多勝夫さん(71)は着の身着のまま、財布を携え自宅を出た。「隣家の方からバン、バンという爆発音がして火事に気付いた。30分ほどで自宅に延焼した。この辺りで火事は珍しい」と話した。

 

 同町では今年7月にも、嘉渡集落で住家など合計9棟を全焼する連続火災があり、いまだに原因が特定されていない。中勝の現場近くの住民からは「こんな時間になぜ」「誰かが火をつけたのでは」といった懐疑の声も聞かれた。