2世の女子ボクシング世界チャンプ 沖永良部

2019年08月01日

地域

観衆の前でミット打ちを披露する吉田選手=いずれも31日、知名町

観衆の前でミット打ちを披露する吉田選手=いずれも31日、知名町

 沖永良部2世で、今年6月に女子ボクシング世界チャンピオンとなった吉田実代選手(31)=EBISU K’S BOX=の凱旋(がいせん)パレードが31日、和泊、知名の両町であった。沿道には大勢の人が集まって「世界チャンピオンおめでとう」とたたえると、吉田選手も「皆さんの温かい応援が力になった」と笑顔で応えた。

 

 パレードは吉田実代沖永良部後援会の主催。吉田選手は後援会関係者らとともに、両町の商店街から各役場までの約300㍍の区間を歩きながら、沿道からの声援に応えた。

 

 ゴール地点の役場では吉田選手から両町へ、世界戦で勝ち取ったトロフィーのレプリカが寄贈されたほか、ミット打ちなども披露して駆け付けた観衆を沸かせた。

 

 ボクシングの練習をしているという和泊小3年の山田明咲さん(9)は「すごくかっこよかった。吉田選手みたいになりたい」と目を輝かせていた。

 

 吉田選手は「親戚も多く、幼い頃から何度も来ている沖永良部島に、世界チャンピオンのベルトを持ち帰ることができてうれしい。練習はもちろん女子ボクシングをやっていてつらいと思うこともあるが、島の皆さんからの温かい声援が励みになり、『もうひと踏ん張り』という気持ちにさせてくれた」と感謝。「『吉田はやっぱり強い』と、そう思ってもらえるチャンピオンを目指して今後も努力したい。また沖永良部島を元気にできるよう頑張ります」と抱負も話した。

 

 同後援会の松元道芳会長は「吉田実代は強いだけでなく人間性も素晴らしい。気さくで、決しておごらない。だから島の人もみんな応援したくなる。世界チャンピオンになって島に帰ってきてくれたことは大変うれしく、誇らしい」と喜んだ。

 

 吉田選手は鹿児島市出身で父が知名町出身。2017年に日本女子バンタム級初代王者となり、18年には東洋太平洋女子バンタム級のタイトルを獲得。今年6月、千葉の幕張メッセであった世界ボクシング機構(WBO)の女子スーパーフライ級の王座決定戦を制した。