DMAT出動、連携確認 大地震を想定し訓練 県立大島病院

2018年09月21日

地域

大規模災害の発生を想定して行われた訓練=20日、奄美市名瀬の県立大島病院

大規模災害の発生を想定して行われた訓練=20日、奄美市名瀬の県立大島病院

 県の災害拠点病院に指定されている奄美市名瀬の県立大島病院(石神純也院長)は20日、大規模な災害発生を想定した訓練を行った。同病院のほか、大島地区消防組合、他医療機関、専門学校などから約220人が参加。今回初めて専門的な訓練を受けた院内の災害派遣医療チーム「DMAT」2チーム10人が加わり、救急体制や関係機関との連携を再確認した。

 

 午後1時すぎ、奄美市名瀬で震度7の揺れを観測し、島内で多数の傷病者が出たと想定。病院の被害は軽微であったため、災害対策本部を設置し、患者の受け入れを始めた。

 

 模擬患者の奄美看護福祉専門学校生と奄美高校生計64人が救急車や徒歩で次々と到着。研修医が患者の重症度に基づき治療の優先度を決めるトリアージを行った後、医師や看護師が応急処置に当たった。

 

 訓練後、同本部の医療責任者を務めた原純救命救急センター長はDMATの活動について「うまく連携できないところもあったが、DMATに医療面の対応を任せられることで、本部に食料やライフラインの確保などに対応する余力ができた」と評価し、「災害時は離島であるゆえに本土からDMATが入るまで時間がかかる。地元で持ちこたえる底力をつけなければならない」と力を込めた。

 

 石神院長は6日に発生した北海道胆振東部地震を踏まえ、「大規模災害時に災害拠点病院としての役割を果たすため、何が必要かを再確認できたと思う。今後は奄美ドクターヘリを絡めた大規模災害の対応なども積極的に訓練していきたい」と語った。

 

 訓練は2004年から年1回行っている。