W盆、W台風で奄美群島商戦波乱

2019年08月10日

地域

グリーンストア入舟店で、お盆特集コーナーの商品を手にする買い物客=8日、奄美市名瀬

グリーンストア入舟店で、お盆特集コーナーの商品を手にする買い物客=8日、奄美市名瀬

 盆休みが近づいてきた。今年は奄美群島で主流となっている旧暦(旧7月13~15日)の盆と、新暦の日付を旧暦に近づけた「月遅れ盆」(8月13~15日)が重なる「ダブル盆」となる。13日の盆入りを前に、週末は「盆商戦」の書き入れ時。ところが、台風9号と10号の発生で船の欠航が相次ぎ、仕入れが困難に。品薄も予想される波乱含みとなりそうだ。(9面に関連記事)

 奄美市内のスーパーではダブル盆商戦に備え多めの仕入れを8日に予定していたが、台風9号の影響で8、9日とも船が欠航。食料品担当者は「11日に間に合ってくれればいいが、盆入り直前の12日に急ピッチで陳列するしかない」と焦りムード。

 奄美市名瀬の大手スーパー「イオンプラザ大島店」でも同様。盆入り1週間前の7日から盆準備に入る主婦らで、すでに食料品を中心に品薄状態になってきているという。通常、盆時期は仕入れを増やすが、今年は鹿児島で仕入れ荷がたまっていることから、これ以上仕入れを増やすわけにもいかず「お供え物を中心に、花や果物など商品の到着が待ち遠しい」という。

 一方、同市名瀬のグリーンストア入舟店では7日から盆商戦のチラシを配布。ダブル盆に備え、帰省者が例年より増えることを見込み、吸い物用のしいたけや昆布を多めに用意。仏壇へのお供え用に砂糖菓子や、ぜんざいのあずきなどを通常の2割増しで用意した。

 台風の影響で週末の品薄を懸念した市民らは早々と店を訪れ、果物や和菓子、肉などを購入していた。市内の女性(70)は職場の昼休みを利用して来店。「台風で船が入らず品が無くなってしまうのではと気になって」と話し、「島外に住んでいる家族が無事に帰ってこられるか心配」と話した。

 墓参りに必要な花屋も仕入れに神経を尖らせる。通常、盆前の墓参りでピークが予想されるのはやはり週末の10、11日。同市名瀬の永田墓地近くにある「フラワーショップ花盛」は台風9号の影響で船が欠航したため、急きょ空便で菊を仕入れた。「ダブル盆で墓参りの人が増えるのと、台風の影響を懸念して通常の2倍近い菊を仕入れた」といい、「送り盆はつぼみを好む方も多く、開花の具合を予想しながら仕入れ、品薄にならないように用意している」と話している。