クルーズ船寄港、今年度ゼロに 名瀬19回予定、コロナ禍で一転

 新型コロナウイルスの影響で、名瀬港観光船バース(奄美市)へ2020年度、計19回寄港予定だったクルーズ船がすべて中止となったことが、16日までに分かった。世界自然遺産候補地としての注目度の高まりを受け、近年は増加傾向だったが、今年2月を最後にキャンセルが相次いでいた。奄美市紬観光課は「交流人口の拡大に貢献していただけに、地域活性化にとってもマイナス要因だ。今は観光の力を蓄える時期と捉え、コロナ禍でも受け入れられる体制づくりに取り組みたい」と話した。

 

 市紬観光課によると、過去3年間の寄港実績は17年度13回、18年度19回、19年度20回だった。19年度は延べ約1万7000人が訪れ、うち外国船籍の乗客が約7割を占めた。客船の大型化や、台湾や欧州のツアー客が多かったのが特徴。

 

名瀬港に寄港した「ぱしふぃっくびいなす」。今年度はクルーズ船受け入れがすべて中止となった

名瀬港に寄港した「ぱしふぃっくびいなす」。今年度はクルーズ船受け入れがすべて中止となった

 今年度は当初、4月19日の「ぱしふぃっくびいなす」を皮切りに、来年3月まで全19回(日本船13、外国船6)を予定していた。5月には、名瀬港で過去最大級となる9万㌧級のマルタ船籍「セレブリティ・ミレニアム」と乗客約2000人の来島が見込まれていた。

 

 しかし、新型コロナの世界的な感染拡大でクルーズ観光の需要が落ち込み、運航計画が軒並み中止に。名瀬港は来年2月の2回を残すのみとなっていたが、16日までに港湾管理者の県から奄美市へ中止の連絡が入った。

 

 市紬観光課は事業所のキャッシュレス決済やWi-Fi導入補助などインバウンド(訪日外国人)対策に力を入れてきただけに、「観光客の減少は地域活性化にとってマイナス要因」と捉える。

 

 ただ、国内ではクルーズ再開の動きが見え始めており、25日には鹿児島港へ「飛鳥2」の寄港が予定されている。市紬観光課は担当職員を派遣して感染防止対策などを視察する計画。「コロナ禍でもしっかり対応できるよう体制を整えたい」と話した。