入り交じる期待と不安 コロナ禍2年目のGWへ 奄美の観光業界

 空の玄関口・奄美空港。到着ロビーにはメッセージ看板が設置され、来島者に新型コロナ感染防止のためのマスク着用を呼び掛けている=18日、奄美市笠利町

空の玄関口・奄美空港。到着ロビーにはメッセージ看板が設置され、来島者に新型コロナ感染防止のためのマスク着用を呼び掛けている=18日、奄美市笠利町

 29日から始まる大型連休まであと10日。新型コロナウイルスの感染が都市部を中心に再拡大し収束の兆しが見えない中、奄美の観光業関係者は「観光客には来てほしいが、島内で感染者を出すのは避けたい」と複雑な心境を口にする。政府は20日から「まん延防止等重点措置」の適用を東京都など6都府県から10都府県へ拡大すると決めており、国内旅行需要の先行きも見通せない状況だ。観光業界にとっては書き入れ時でもあり、期待と不安が入り交じる中、コロナ禍2年目のゴールデンウイーク(GW)を迎える。

 

 「ゴールデンウイークの予約状況は客室の7~8割とすごくいい。関東、関西のお客さんが多い」と話すのは奄美市笠利町の奄美リゾートばしゃ山村の奥篤次代表取締役(73)。しかし、昨年同時期も同じような状況下で、4月の緊急事態宣言後にキャンセルが相次いだと指摘。「今年もこれから落ち込むと思う。国が緊急事態宣言などの対応をとれば、ガタガタっと総崩れの可能性もある」と警戒する。

 

 同町の奄美空港近くに事務所を構えるニコニコレンタカーでは、ゴールデンウイーク期間中の予約がコロナ前の6割ほどまでに回復。上野貴信副店長(24)は「昨年はほぼゼロだったので少しずつだが観光客が戻ってきている印象。特に関東、九州からの予約が多い。人が増えて感染リスクが高まるのは怖い半面、観光客には来てほしいというのが正直な気持ち。早く落ち着いて、たくさんの人に奄美に来てもらいたい」と語った。

 

 観光バス・タクシー事業などを行う徳之島総合陸運(徳之島町)によると、ゴールデンウイーク中の観光タクシーの予約は例年に比べて少ない状況で、貸し切りバスについては、大型連休明け以降、団体客の予約が数件入ってきているという。営業課の担当者は「夏にかけて旅行会社からの予約が入っているが、コロナ次第で状況が変わるため、人数の確定などは直前にならないと分からない。夏場は台風時期でもあり、見通しがなかなか立てられない」と話した。

 

 ゴールデンウイークから観光シーズンが本格化する与論島でも、関係者が気をもんでいる。ヨロン島観光協会の町岡安博事務局長(56)は「都市部の感染者増加やマスコミ報道を受けて宿泊施設の予約キャンセルが出始めている」と指摘。「観光産業のウエイトが大きい与論では、観光客が来ないとなると影響は計り知れない。どこの事業所も感染対策をしっかりしている。観光協会としては、来島者に対して『気を付けてお越しください』というスタンスで対応していきたい」と力を込めた。