台風24号でキビ減収量3万㌧超 徳之島

2018年10月04日

社会・経済 

台風24号の影響が懸念されるサトウキビ=3日、天城町浅間

台風24号の影響が懸念されるサトウキビ=3日、天城町浅間

 台風24号の強風で、徳之島の基幹作物サトウキビは全ほ場で倒伏や葉の裂傷などが発生した。折損被害は全体の約25%、潮風害も半数以上のほ場で確認され、減収量は3万トンを超える見込み。南西糖業徳之島事業本部は「今後の生育、登熟への影響が懸念される」としている。

 

 同事業本部が3日までにまとめた被害状況によると、徳之島のキビ栽培面積3394ヘクタール中、倒伏被害は全倒伏(倒伏角度0~15度)が1039ヘクタール、半倒伏(同15~45度)1763ヘクタール、小倒伏(同45~75度)592ヘクタール、倒伏なし(同75度以上)はゼロだった。

 

 葉部損傷は脱落907ヘクタール(26・7%)、葉部裂傷2373ヘクタール(69・9%)、葉先裂傷114ヘクタール(3・4%)。折損は841ヘクタール(24・78%)、潮風害は1770ヘクタール(52・2%)。減収率は18・85%で、減収量は3万804トンを見込む。町別は天城1万トン、徳之島8004トン、伊仙1万2800トン。

 

 被害状況について同事業本部原料統括部は「猛烈な風で倒伏、葉部損傷、折損の被害が大きかった。伊仙町の海岸部周辺のほ場では高潮の影響もあり、潮風害も多く見られた」と分析。

 

 収量見込みについては「今期は台風接近前の生育状況が平年より良かったため、減収があっても平年を少し下回る程度になりそう。昨年の台風22号の被害と比べ、回復までの時間があるのは幸い。週末には台風25号の接近が予想されるが、潮風害を防ぐためにも降雨を祈りたい」としている。