大島紬の京都催事、2月に延期 奄美・鹿児島、両産地初の合同企画

本場奄美大島紬協同組合の事務所がある奄美市産業支援センター=14日、奄美市名瀬

本場奄美大島紬協同組合の事務所がある奄美市産業支援センター=14日、奄美市名瀬

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、緊急事態宣言の対象地域に京都府が追加されたことを受け、奄美市名瀬の本場奄美大島紬協同組合(牧雅彦理事長)と鹿児島市の本場大島紬織物協同組合(大瀬輝也理事長)は16日までに、今月22~24日に京都市で予定していた大島紬の販売会を1カ月延期することを決めた。販売会は両産地組合で初めての合同開催。「動員数や売り上げ結果が今後の和装業界での存在感につながる」とも期待されるだけに、関係者は都市部の感染動向に気をもんでいる。

 

 政府は14日、京都や大阪など7府県を緊急事態宣言の対象地域に追加した。期間は首都圏の1都3県と同じく来月7日まで。

 

 合同販売会は「世界に誇る絣文化の継承 紬コレクション」と題し、京都市の京都経済セ

ンターで開く。奄美の紬協組は14日に会合を開いて鹿児島市の組合へ日程の変更を申し入れ、両組合で協議の上2月23~25日に延期することを決めた。奄美大島紬協組の伊東隆吉専務理事は「開催地の状況から現時点では実施は難しいと判断した」と述べた。

 

 奄美関係者は昨年6月から準備を進め、会場でのマスク着用や手指消毒徹底のほか、販売形態も従来式から変更して「ニューノーマル」での催事開催を模索。▽会場を展示、商談、体験、入場の4ブースに分けて人の密集を避ける▽機屋は別室に待機し、消費者が展示ブースで商品を選んでから商談に入る―などで感染予防策の強化を図る。

 

 そのほか▽反物の上代を産地で決定する▽商品を従来の機屋別ではなく柄別に並べる│などの新たな試みも展開される。今後の催事の方向性を探り、後継者不足や低賃金などが問題視されている職人の労働環境改善にもつなげていきたい考えだ。

 

 昨年1年間の本場奄美大島紬の生産反数は3385反で前年比286反減。生産額は2億8738万3000円(前年比2269万円減)だった。新型コロナの影響で売り上げが前年比の5割に落ち込んだという機屋もあり、関係者からは「この状態が続けば21年はさらに厳しくなる」「職人の離職が進み廃業を考えるところも出てくるはずだ」との指摘もある。

 

 販売会の開催に当たっては新型コロナの影響で先の見通しが立たないことに加え、参加する問屋や生産者側の時間調整の面で1~3月の実施が求められること、事業費に県の「伝統的工芸品産業緊急対策支援事業補助金」を活用するため来年度への繰り越しが難しいことなども関係者の頭を悩ませているようだ。

 

 牧理事長は「全国の着物産地からも注目されている。新年初のイベントということもあり成功させて業界に大島紬のムードを作りたいが、無事に実施できることをただ祈るしかない」と語った。奄美大島紬協組は現地の動向を見守りつつ、今後再度販売会の参加組合員の募集を行うという。