沖永良部島 彼岸前、切り花出荷ピーク

花き製品の出荷作業が行われている沖永良部花き専門農協の作業場

花き製品の出荷作業が行われている沖永良部花き専門農協の作業場

 沖永良部島では、17日の春の彼岸入りを前に切り花の収穫・出荷がピークを迎えている。国内では新型コロナウイルスの感染拡大に伴いイベントの自粛が相次ぎ、島内の生産者からは花の需要低迷を心配する声もある。和泊町の沖永良部花き専門農協によると、事前に価格を決めて取り引きする相対取引の予約は堅調で、今のところ出荷に大きな影響はないものの、「イベント自粛が長期化した場合などの影響は未知数」として状況を注視している。

 

 同専門農協によると、2019年度は出荷本数2870万本、販売額13億6300万円を計画している。

 

 同島の花きは主に11月から5月にかけて出荷される。最盛期は年末と春の彼岸の2回あり、特に3月の売上高は年間の約3割を占める。現在はスプレーギクを中心にテッポウユリ、ソリダゴ、グラジオラス、オリエンタル、トルコギキョウなどの出荷が続いている。

 

 新型コロナウイルスによる彼岸期の切り花需要への影響について、同専門農協の泉義仁指導販売課長は「この時期の出荷の半分ほどを占めている相対取引の予約は堅調。ほぼキャンセルもないため、現時点で大きな影響は感じていない」と説明。

 

 「複数の市場にも状況を問い合わせたが、仏壇に供えたり、墓参りに使われる花への影響はそれほどなさそう。だが、この問題が長期化し、今後の卒業式や入学式、歓送迎会などのイベントにも自粛ムードが広がれば、洋花を中心に影響は避けられないかも」と話す。

 

 市況をみると、2月に比べ3月第1週の競りでは花きの相場が下落したが、同専門農協は「例年この時期は彼岸前の買い控えで値が下がる傾向にある」とし、彼岸期に向けた、今後の競りの動向を注視していく考え。

 

 農家からもイベント自粛による今後の販売動向を懸念する声が聞かれた。同専門農協代表理事組合長の葉棚清二さん(64)は「先を考える余裕がないほど今は作業で忙しいが、問題は彼岸が過ぎた後。自粛ムードが長引けば、花の需要がどうなっていくかというのは心配」と語った。

 

 同町内の30代の男性農家は「彼岸前の買い控えも考えられるとはいえ、2月と比較し、ここ数回の競りの下落幅は大きいように思う。ソリダゴなどは半値まで落ちている。イベント自粛などの影響がすでに出ているのでは。9年前の東日本大震災後の花の暴落が頭をよぎり不安だ」と話した。

切り花の収穫作業がピークを迎えている和泊町内の平張施設=6日、同町

切り花の収穫作業がピークを迎えている和泊町内の平張施設=6日、同町