産地化に向け施設拡大へ 生豆製造機、徳之島初導入 伊仙町

コーヒー果実の収穫作業を行う生産支援プロジェクトの代表者ら

コーヒー果実の収穫作業を行う生産支援プロジェクトの代表者ら

  【徳之島総局】徳之島産コーヒーの生産支援プロジェクトに取り組む味の素AGF㈱(品田英明社長)、徳之島コーヒー生産者会(吉玉誠一会長、30人)など4者は22日、伊仙町伊仙で春のコーヒー豆収穫祭を開いた。品田社長は年内に島内4カ所で育苗施設を整備することを報告。日本一のコーヒー産地形成に向け、生産体制を強化していくことを確認した。式典では生豆製造機材「パルパー」の稼働式やコーヒー果実の収穫実演もあった。

 

徳之島に初導入されたコーヒーの実を果実と種子に分離する電動タイプのパルパー=22日、伊仙町伊仙

徳之島に初導入されたコーヒーの実を果実と種子に分離する電動タイプのパルパー=22日、伊仙町伊仙

 コーヒー栽培にノウハウがあるAGFは、徳之島コーヒーに国産コーヒーの可能性を求め、丸紅㈱、伊仙町を含む4者で2017年6月、事業協定を締結。同年11月、町内に建設した育苗専用ビニールハウスで種の植え付け、18年4月に苗木の定植を行った。

 

 AGFは今月、吉玉会長の自宅敷地内にコーヒー豆加工所を整備し、コーヒーの実を果実部分と種子部分に剥離する電動タイプの機器パルパーと種子の薄皮を取り除く脱穀機を提供した。

 

 収穫祭は加工所の完成と昨秋襲来した台風被害を乗り越えて収穫できることを記念して開いた。式典にはプロジェクト関係者ら約50人が出席した。

 

 吉玉会長はあいさつで「加工所ができ、生産基盤が整ってきた。今後は生産者が増え、生産量を拡大していくことが課題。島の産業をリードする作物となるよう取り組みたい」などと述べた。

 

 品田社長は協定締結から約2年経過した現在を、徳之島に適合する品種選定に向けた試行期間と位置付け「日本全国で徳之島産コーヒーを味わっていただける日を楽しみにしながら、今後も支援を続けていく」と力を込めた。

 

 パルパー稼働セレモニーでは4者代表が一斉にボタンを押して、コーヒー果実の剥離作業がスタート。出席者は機器上部から投入されたコーヒーの実が瞬時に種子と果実に分離される光景を見学した。

 

 生産者会によると、電動式パルパー導入は徳之島内で初めて。作業効率は従来の手作業の約10倍になるという。

 

 AGFによると、育苗施設の増設で、20年以降は年間約4千本の苗木を生産者会へ提供する。23年には島内全体で栽培本数1万本、約1㌧の収穫を目指す。