紬後継者育成へ 新たに染色と図案に2人 技術獲得に意慾 奄美市名瀬

本場奄美大島紬の後継者として技術を学ぶ蘇さん(上)、浜田さん

本場奄美大島紬の後継者として技術を学ぶ蘇さん(上)、浜田さん

 職人の高齢化が進む中、本場奄美大島紬協同組合と地元自治体などでつくる本場奄美大島紬産地再生協議会(前田豊成会長)の後継者育成事業で、5月11日から新たに染色と図案部門の受講生が加わった。2人は「少しでも早く技術を身に付けたい」と意欲を見せている。

 

 紬協組によると、2020年3月末時点の紬従事者の平均年齢は69・8歳。再生協議会は技術継承を目的に昨年から後継者の給与などを補助し、後継者不足が特に深刻な締め機や染色、図案などの職人育成に力を入れている。

 

 受講生は奄美市名瀬の市産業支援センターで技術を身に付ける。龍郷町出身で2018年から同町戸口の染色工房で働く蘇梅清さん(31)は、月~水曜日に同センターで化学染料を用いた染色を学んでいる。

 

紬図案と染めに若手継承者②浜田さん 普段は泥染めや藍染めなどを行っており、化学染料を扱うのは初めて。「勝手が違うので覚えるのが大変だが、化学反応で染まるところは同じ。どちらもやることで理解が深まる」と語った。

 

 図案を学ぶのは両親が瀬戸内町出身で、神奈川県から奄美へ移住した浜田浩之さん(49)。関東でチラシやパンフレットなどのデザイナーとして働いていたが、「奄美で仕事がしたい」という気持ちから職人の道に飛び込んだ。

 

 図案職人は大島紬の柄を考案するほか、絣(かすり)糸の設計図となる図案を作成する。以前は方眼紙を使い全て手作業で行っていたが、現在は一部コンピューターを利用する。

 浜田さんは「今は目の前のことに無我夢中。後継者不足の厳しい現状を知っているので、自分ができることをやっていきたい」と話した。