紬絣文様集、2千柄を体系化

前田理事長に絣文様集全巻を寄贈した瀬戸口副所長(右から2人目)ら=3日、奄美市名瀬

前田理事長に絣文様集全巻を寄贈した瀬戸口副所長(右から2人目)ら=3日、奄美市名瀬

 鹿児島県工業技術センター(霧島市、仮屋一昭所長)が編さんを進めてきた「大島紬絣文様集」の最終巻「龍郷柄編下」がこのほど完成し、全8巻がそろった。明治期から現代にかけて考案された2148柄を体系化。3日、センター関係者が奄美市名瀬の本場奄美大島紬協同組合を訪れて全巻を寄贈した。前田豊成理事長は「組合員に広く公開し、デザインも自由に利用してもらいたい」と感謝した。

 

 大島紬の長い歴史の中で、現代の精緻な絣文様につながる技術革新が起こったのは明治後期とされる。締め機の誕生で量産化や大型化が可能となり、世界的にもまれな絣文化が花開いた。

 

 文様は意匠登録された時期もあったが戦火で資料の多くが焼失、まとまった数をデータベース化した公的機関はこれまでなかった。

 

 絣文様集はこれらの柄を収集・復元し、体系化した。2009年以降、「小柄」「小中柄」「割り込み柄」「龍郷柄」を上下巻ずつ刊行してきた。

 

 3日は県工業技術センターの瀬戸口眞治副所長、製作に携わった元職員の徳永嘉美さんが訪問。全巻完成を報告するとともに、「これだけの柄が集まったものは利用価値も高い。組合で扱いを判断してほしい」と呼び掛けた。

 

 前田理事長は「後世に残すためにも前向きに活用したい」と感謝した。組合員については資料閲覧や写真撮影、デザイン利用は自由との考えを示し、「組合員以外で希望する場合は相談に応じたい」と話した。