紬職人、工程をネット中継 着物専門やまと、全国100店に

感染防止策が施された店内で行われたネット中継=24日、東京武蔵野市

感染防止策が施された店内で行われたネット中継=24日、東京武蔵野市

  着物専門店やまと(矢嶋孝行代表取締役社長、本社・東京)は23~25日の3日間、奄美大島とインターネット回線でつないで大島紬の制作工程を顧客らに紹介する「産地ズームライブ」を開催した。全国の約100店舗で実施し、延べ約380人の来場者に大島紬の魅力を伝えた。

 

 やまとは1917(大正6)年創業の老舗着物専門店。大島紬の販売にも力を入れており、これまでに大島紬の職人を招いた首都圏での研修会や、奄美での産地研修などを行っている。

 

 今年はコロナ禍で人の移動に制限がかかる中、広範囲の顧客に大島紬の魅力を伝えようとインターネットを使った中継を企画。全国各地の店に顧客を招き、泥染工房と織元職人とのオンライン会議を行った。

 

 泥染めについては、前田紬工芸(龍郷町)と金井工芸(同)が、シャリンバイを煮出した液と泥田で繰り返し染織することで独特の渋い黒色が生み出されることを紹介した。

 

 織り工程は美紀大島(奄美市名瀬)と牧絹織物(同)が解説。80代のベテラン職人の高い技術が生み出す見事な柄に、視聴者から感嘆の声が上がった。

 

 吉祥寺店で泥染め工程を視聴した30代女性は「モニターから湿気を帯びた南国の空気が伝わってきた。大島紬について、書物やカタログだけでは理解できなかった『その先』を知ることができた。コロナが収束したら、ぜひとも奄美に足を運び大島紬の世界を体感したい」と笑顔で話した。