緊急経営相談に54事業所 奄美大島商議所ら対応 新型コロナ

感染症拡大の影響で業績が悪化した事業主らを対象にした緊急個別経営相談会=10日、奄美市名瀬の奄美大島商工会議所

感染症拡大の影響で業績が悪化した事業主らを対象にした緊急個別経営相談会=10日、奄美市名瀬の奄美大島商工会議所

  奄美大島商工会議所(有村修一会頭)は10日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で業績が悪化した法人や個人事業主を対象とした緊急個別経営相談会を奄美市名瀬の同所で開いた。同市内を中心に島内の計54事業所から延べ69件の相談を受け付けた。内容は融資や助成金に関するものが大半。相談者は飲食、観光関連業が多く、感染症拡大に伴う島内経済への影響の深刻さが改めて浮き彫りになった。

 

 相談会は午後1時半から約3時間。同商議所に加え、県や奄美市、名瀬職安、日本政策金融公庫、奄美群島振興開発基金など6団体12人が対応した。

 

 同商議所によると、奄美大島では3月中旬から新型コロナウイルス感染症の影響が観光、飲食業を中心に表面化。国による事業者らへの支援策も報じられる中、同商議所には「自分の事業所が対象となり得る融資や助成について詳しく知りたい」といった相談や問い合わせが増加した。

 

 こうした事業主の疑問や相談に応えようと、関係機関と協力して同相談会を開いた。

 相談事業所の業種の内訳は飲食業が19件で最も多く、続いて観光関連業12件(宿泊8件、土産4件)、サービス業11件、小売業8件の順。

 

 地区別では奄美市名瀬が45件で全体の8割強。続いて同市笠利町5件、龍郷町3件、宇検村1件だった。

 

 奄美市で飲食業を営む女性(60代)は「雇用助成金などについてテレビを見ていてもちんぷんかんぷんだったので、こっちに来た。説明を聞いて(同助成金の)対象にならないと知り残念に思ったが、親身に対応してもらった」などと話した。

 

 同商議所の安田励所長(56)は「待ったなしの状況の中、商議所として迅速に対応できるよう(支援の)体制を構築していく。新型コロナに関して寄せられる経営相談についても、国が示す支援内容など最新情報の収集に努めながら、今後も丁寧に対応していきたい」などと述べた。

 

「売り上げ20分の1」 コロナで事業主ら窮状 奄美大島

 

 世界的な新型コロナウイルスの感染拡大は、感染者が確認されていない奄美大島の経済にも深刻な打撃を与えている。奄美大島商工会議所が10日開催した相談会に参加した事業主からは「売り上げが例年の20分の1」「廃業すべきか否か、悩む」などと窮状を訴える声が多く聞かれた。

 

 今回、相談が最も多かったのは飲食業。奄美市名瀬の居酒屋店主(40代)は「無利子無担保の融資が活用できそうだが、いずれは返さないといけないので正直、廃業した方が楽ではある。今は続けるだけ赤字。きょうの相談内容も踏まえ、廃業すべきか否か、早めに決断したい」と苦しい心境を語った。

 

 別の飲食業の男性(60代)は「うちは公務員や病院関係者らの団体客も多く利用してくれていたが、今回の自粛ムードで客足がめっきり減った。今の状況を2、3カ月辛抱すれば助かるのか、それでも駄目なのか。しばらく頑張りたいとは思うが、先が全く見えないのが一番しんどい」と不安を口にした。

 

 観光関連業も影響は深刻。同市内で土産品などを販売する男性店主(60代)は「店の売り上げは例年の1割以下。従業員への雇用関係で助成を受けられないか相談したが、条件に合わず困った」。

 

 同市内の観光業の男性(30代)も「雇用や資金繰りの関係で相談した。通常は島外客が9割で、4月の売り上げは例年の20分の1くらい。現在予約をストップしているが、自粛はいつまで続ければいいのか」と嘆き節。「奄美では4月から本格的に影響が出ると思う。国にはスピード感を持った対応をしてほしい」と注文した。